日本が誇る犬種「柴犬」。そんな柴犬の一種に「豆柴」と呼ばれる柴犬がいるのをご存知でしょうか。 小さくて無垢な姿が愛らしく、近年人気が上昇している種類です。 今回は、そんな豆柴について紹介していきます。
豆柴の基本情報
豆柴は公式の犬種ではない??
一般的な柴犬よりも体が一回り小さな柴犬を「豆柴」と呼びます。
しかし、「豆柴」は公式の犬種ではありません。
犬種登録団体「JKC(ジャパンケネルクラブ)」や「日本犬保存会」でも正式な種として一切認められていません。
2017現在では、今後も豆柴を犬種として登録する予定はないと言われているそうです。
しかし、NPO法人の日本社会福祉愛犬協会では独自に「豆柴犬」を公認し、「豆柴認定審査合格血統書」を発行しているようです。
小柄な柴犬「豆柴」は、日本犬ならではの良さと小柄で飼いやすいことから今後の人気にも期待されます。
豆柴の歴史
柴犬は古くから人間と馴染み深い犬種で、ウサギや鳥を狩る猟犬として活躍していました。
豆柴が生まれた経緯には諸説ありますが、柴犬の中でも体の小さな柴犬同士を交配させて作られたと言われています。
その経緯の1つを紹介します。
現在では、「柴犬」と一括りにされていますが、昔は様々な種類で細分化されていました。
縄文時代の地層から見つかった骨の形状に最も近い「縄文柴」、美濃の「美濃柴」、信州地方の「信州柴」、山陰の「石州犬」や「「因幡犬」などが存在していました。
そんな中に体が一回り小さな「小柴」がいたと言われています。
しかし明治期に輸入された洋犬との雑種化や戦時中の食糧難、戦後のジステンパーの流行によって絶滅が危惧されました。
絶滅から守るため日本犬保存会によって柴犬は、異なる柴犬を交配させて絶滅を回避してきました。
長年にわたる計画繁殖の中で柴犬の標準値が安定していきましたが、柴犬の標準値から外れていた「縄文柴」や「美濃柴」、体の小さな「小柴」などは繁殖に使われず、絶滅を恐れた異なる保存会がそれぞれの繁殖をしてきたそうです。
こうして守られてきたことによって「小柴」は、現在の「豆柴」という親しみやすい名前に変わり現存していると言われています。
豆柴の特徴
柴犬との違いは 体の大きさ?
- 柴犬よりも体が小さな小型犬で、体重は4~6kg
- 豊富な毛を持ち防寒に優れている
- 毛色には4色あり、赤柴・黒柴・白柴・胡麻柴と呼ばれている
体の大きさ以外は一般的な柴犬と比べてほとんど変わりありませんが、豆柴はやや胴が短く丸っこい印象の子が多いようです。
筋肉質でたくましい体に、小さな顔にピンと立った耳、くるっと巻いた尻尾が特徴的です。
被毛は、毛量の多くダブルコートと呼ばれる上毛と下毛の二重構造になっています。
豆柴の毛色は4色のカラーバリエーション
下毛は細く柔らかい毛質で防寒機能があり、換毛期には抜け毛が目立ちます。
上毛は、撥水性のある固い毛質をしています。
毛色も、柴犬同様4色のカラーバリュエーションがあり、赤・黒・白・胡麻があります。
有色の豆柴でも、口元を中心とした顔周りや胸元、足先は白のことが多いようです。
豆柴の価格相場
豆柴の価格相場は20〜40万円と価格差があります。
それには、豆柴は体が小さければ小さいほど高額になる傾向があるのと、豆柴の被毛の色でも変わってきます。
豆柴に最も多い赤毛が1番価格的には低く、続いて、白、黒、胡麻と価格が上がっていきます。
ご紹介したように、豆柴は公式の犬種ではありませんので、どうしても金額の差が生じやすいところもあるようです。
豆柴の性格・気質
豆柴の性格 その1 勇敢で忠実
- 飼い主に対し忠実で愛情深い
- 警戒心・独立心が強い
- 気難しい一面もあるが子犬の頃の育て方で変わる
- 学習能力が高くしつけやすい
飼い主や一度信頼を置いた相手に対しては深い愛情を示し、とても忠実な性格をしています。
飼い主以外には懐きにくいという難しい一面もありますが、子犬の頃からたくさんの人や犬と触れ合い社会性を身に付けさせることで社交的な性格にもなってくれるでしょう。
豆柴の性格 その2 主従関係を強く求める
かつては猟犬として活躍していたこともあり、我慢強く体を動かすことがとても大好きです。
飼い主に対して主従関係を強く求める性質があり、学習能力が高く物覚えもいいので、正しい主従関係を築けることができれば、非常にしつけやすい犬種でもあります。
豆柴男の子・性格の特徴
豆柴自体、警戒心が強く競争心も強いのですが、豆柴の男の子のほうが、それは更に強くなります。
負けん気が強いのが豆柴の男の子の特徴です。
ただし、飼い主に対しては驚くほどの忠誠心を見せます。
豆柴女の子・性格の特徴
豆柴の女の子は男の子に比べれば、性格は穏やかにはなりますが、誰とでもフレンドリーにできるかといえば、そうでもないようです。
もちろん育て方によって性格はそれぞれ変わってきますが、基本的に豆柴の女の子でも洋犬のように、人にベッタリ甘えるということはありません。
豆柴の飼い方・しつけ
豆柴の飼い方 その1 日本犬の資質を理解する
豆柴を飼うには、日本犬の素質を理解しておくことがとても大切です。
豆柴の性格や体質を理解して、正しい接し方と快適な環境を整えてあげましょう。
特に子犬の時期は、無垢で愛らしい姿からつい甘やかしてしまいがちですが、健康で利口な豆柴に育てるには甘やかすことは禁物です。
豆柴の飼い方 その2 飼育環境
豆柴は日本の気候にも順応できるため、基本的には屋外と室内のどちらでも飼育することができます。
どちらで飼う場合でも、豆柴が快適に過ごせスペースを構えてあげましょう。
安心できる寝床と、夏でも冬でも過ごしやすく工夫が必要です。
特に室内で飼う場合には、豆柴は独立心のある犬種ですので、むやみに構いすぎず一人で安心して過ごせるよう、一人の時間を設けるようにしましょう。
豆柴の飼い方 その3 豆柴の散歩
かつては猟犬として活躍していたこともあり、体を動かすことが大好きなのが豆柴です。
小型犬の中でも、特に運動量が多く運動神経でも優れてもいます。
豆柴に必要な散歩時間は、基本的には体重と同等の距離(体重が5kgであれば5km)と言われていますが、猟犬として野山を駆け回っていた柴犬にとっては、距離よりも刺激のある散歩の方が満足感を満たしてあげることができます。
散歩コースを変えたり、広場でボール遊びなど、豆柴の好奇心を刺激させる散歩にしてあげましょう。
豆柴のしつけ その1 豆柴はしつけやすい!?
豆柴は賢く飼い主にも従順な種類のため、しつけやすい犬種です。
豆柴のしつけでまず重要になのは主従関係です。
豆柴を含む柴犬は、主従関係を大事にする犬種のため自分のことをリーダーと認識してしまうと、吠え癖や噛み癖などの様々な問題行動を起こすことが懸念されます。
飼い主がリーダーとなり、その家族全員が豆柴よりも上の立場になることが大切です。
豆柴のリーダーになるには
- 褒めて伸ばす:愛情を持って褒めたり優しく接することで信頼できるリーダーになれます。
- 愛情と甘やかすことの違いを理解する:甘やかし過ぎることで、自分がリーダーだと勘違いし言う事を聞かないわがまま犬になってしまいます。
- 豆柴のことを理解する:豆柴の体質や気質を理解しておくことで、行動の意味を理解することができ適切な対応対処ができるようになり、信頼につながります。
- 仰向けにさせる・マズルコントロール:服従しているというサインです。
特に豆柴は体をベタベタと触れるのを嫌い、体の手入れの際にも必要になってくることなので慣れさせておいた方が良いでしょう。
豆柴のしつけ その2 トイレのしつけ
物覚えの良い豆柴はトイレも比較的すぐに覚えられるでしょう。
そのためには、子犬を迎えたその日からしつけを始めましょう。
上手にできれば思い切り褒めてあげ、失敗した時には叱らずに速やか後始末してあげます。
成功法を積み重ねて覚えさせていきましょう。
豆柴の問題行動「無駄吠え」をやめさせるには?
もともと警戒心や縄張り意識が強いのが豆柴の特徴になりますね。
それをうまく理解してコントロールしてあげないと、ちょっとしたことで吠えまくってしまう問題犬になってしまいます。
まず、犬が吠えるという行為は私たちが誰かと話をする行為と同じことで、「話すな」とういうこと自体無理があることをわかっておきましょう。
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