ヨークシャーテリアの尻尾は短いのが良いの？長いのが良いの？

以下が、ヨークシャーテリアのスタンダード（犬種標準）の尻尾に関する事項です。

このスタンダード（犬種標準）からも分かる通り、尻尾が長い場合はスタンダードから外れてしまい血統書の発行ができなくなってしまうのです。

高値で売買される純血種は血統書を出さないわけにはいきませんので、今でも断尾することが多いというのがヨークシャーテリアの尻尾事情なのです。

断尾は必要なこと？

断尾が犬に与える影響とは？

犬の断尾は古くから習慣的に行われてきました。
断尾を行う目的には、犬のケガを防止するためは衛生上から健康を守るためなどのメリットがあったことも事実ですが、ペットとして飼われることが多くなった現在の犬にとってはデメリットの方が多いと考えられています。

◆運動能力の低下

犬の尻尾は体のバランスを取るために役立つと言われており、断尾することで運動能力が落ちることがあると言われているのです。

◆コミュニケーション能力の低下

犬は尻尾を振って感情表現を行いますが、断尾された犬は尻尾を振って気持ちを伝える力が減ってしまいます。
そのため、他の犬とのコミュニケーションが取りにくくなってしまうという点もデメリットとして考えられています。

◆痛み

断尾に関する一番の疑問かもしれません。
生後10日以内の子犬の断尾を行う場合、無麻酔で行われることがあります。
これは子犬期は痛みに鈍いとされているためですが、実際には子犬も痛みを感じていることが分かってきています。

近年では断尾の際に生じる痛みだけでなく、施術後の慢性的な痛みがあることも懸念されており、断尾後の尻尾や骨盤の筋肉に委縮や変性が見られたとの報告もあるようです。

世界の断尾事情

世界各国で犬の断尾は行われてきましたが、近年では動物愛護の観点から法律で断尾を禁止する傾向が出てきています。
例えば、動物愛護の精神が強いイギリス・オランダ・ドイツなどのヨーロッパを中心とした各国では、犬の断尾は法律で禁止されています。

一方で、アメリカのケンネルクラブ（AKC）では、断尾は健康への負担が少なく犬種の歴史を保つために容認できると考えられているようです。

日本においてもアメリカの基準に準拠しており、現在でも断尾が行われているのが現状です。

ヨークシャーテリアの断尾は本当に必要なのか？

断尾は犬にとってデメリットも多く、世界的にも禁止傾向にあるにも関わらず、本当にヨークシャーテリアにとって断尾が必要なことなのか疑問に思う人は多いでしょう。

ヨークシャーテリアにとって断尾をする必要性があるのは、前述でも述べた通り血統書の発行のためだと言えるでしょう。

血統書があることは、特定の犬種以外の血が混じっていないことの証明となることや、ドッグショーやアジリティー競技会で犬種別での部門の参加条件を満たすこと、愛犬の誕生日やルーツ（繁殖者情報や祖先犬）を記録として残せるといったメリットがあります。

逆にこれらの血統書が必要ない人にとっては、断尾は必要のないものと言えるでしょう。

断尾してほしくない時にはどうすればよい？

血統書もいらない、どうしても尻尾を切ることについて納得できないという場合は、それに応じてくれるブリーダーさんも最近ではいらっしゃるようです。

この場合は、生まれる前に「もしお宅の犬舎から犬を迎えるとしたら、断尾しないでほしい」と事前に申し出る必要があります。

その際、さまざまな条件を言われるとは思いますが、双方が納得すれば尻尾があるままのヨークシャーテリアを飼うことは可能です。
断尾しないことについて承諾してくれるブリーダーさんを探しましょう。

この記事のまとめ

ヨークシャーテリアの尻尾は短いのが良いの？長いのが良いの？　さいごに

ヨークシャーテリアの尻尾は短い方が良いのか、それとも生まれたままの長い方が良いのか、現状では個人の判断次第になるでしょう。

ただ、断尾を動物虐待とみなして禁止している国も増えてきています。
日本でも断尾しないでくれるブリーダーさんも増えてきているようです。