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代表的な犬種としては、狩猟犬として活躍していたアメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエルなどのスペニエル犬種や、牧羊犬として活躍していたウェルシュコーギーペンブローク、オールドイングリッシュシープドッグ、警備犬・護衛犬のボクサーやドーベルマン、その他にもプードルなども断尾される犬種として有名です。
ミニチュアシュナウザーやジャックラッセルテリアなどのテリア犬種も断尾されることが一般的でした。
断尾が行われる時期や方法
尻尾はいつ頃行うのかについては、ブリーダーさんによっても違うそうです。
生後10日以内に切り取ってしまう場合やある程度成長して麻酔がかけられる月齢になってから麻酔をかけて切り取る場合があります。
切除の方法としては、生後間もない10日以内に麻酔無しで外科的に切断する方法(切断法)が取られることや、尻尾にゴムバンドで締め上げ血流を止めて切除する方法(結紮法)があります。
いずれにせよ、ブリーダーさんの手元にいる間に尻尾は切り取られてしまうことが多いため、一般家庭に来てから「お宅で尻尾切ってね」というようなことはありません。
ブリーダーさんの中には尻尾の長さにまでこだわっている方もいますので、いくら飼い主と言えど勝手に長さを変えることをよしとしない場合もあるようです。
犬の断尾をする理由
それではそもそも、なぜ断尾を行うのでしょうか?
断尾をする理由は犬種や国によっても様々な理由があります。
断尾する理由① 使役での損傷を防ぐため・効率よく仕事行うため
犬は古くから人間のパートナーとして、狩猟犬や牧羊犬、護衛犬などと様々な役割を担ってきました。
その使役中に尻尾を損傷してしまうことがないよう、また効率よく仕事をこなすために断尾されることが多かったのです。
例えば、狩猟犬は、飼い主が獲物と見分けを付けるため、獲物に尻尾を噛まれないようにするため、獲物を追って藪で傷つけないようにするためなどの理由から行われてきました。
牧羊犬は、家畜を追う仕事の中で家畜に尻尾を踏まれてケガをしてしまわないために断尾されていました。
警備犬の場合には、犯人などに尻尾を握られたり引っ張られたりすることが弱点となるため断尾されることが一般的でした。
このように使役犬は尻尾が短い方が都合が良いと考えられてきたのです。
断尾する理由② 医学的観点
尻尾は肛門の近くにあることから不衛生となりやすく病気になる可能性があることから断尾をすることもあります。
現在でもそう考えられている人もいるようです。
その他にも、感染症の予防済であるかを証明する意味で行われていた国もあったようです。
断尾する理由③ 美容的観点
断尾をすることは単に見栄えを良くするための美容的観点から断尾されている犬種もあります。
実際に現在使役犬として活躍することなくペットとして飼われている犬が断尾される場合には、この美容的観点から断尾されているケースが多いと考えられるでしょう。
ヨークシャーテリアの断尾する理由
それではヨークシャーテリアの場合には、なぜ断尾を行うのでしょうか。
ヨークシャーテリアは、ネズミを捕獲することを目的に猟犬として作出された歴史があります。
獲物を見つけたヨークシャーテリアが、興奮して尻尾を振ってしまうとそれに気付いたネズミが逃げてしまうということから、猟犬としての目的を果たすために、尻尾を切り落とされていました。
そしてそれが現在になっても「スタンダード」という形として残っています。
スタンダードとは、その犬種によって設けられた犬種標準のことを指します。
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