犬の車酔いとは?
犬の車酔いは人間と同じで、耳の奥にある平衡感覚やバランスを整える三半規管が、揺れや目で見る景色についていけず起こします。
そして、人間よりも感覚が敏感な犬は、車酔いを起こしやすい動物となります。
それでは犬の車酔いについて見ていきましょう。
犬の車酔いのしくみ
通常、乗り物などの揺れに対して人の体は無意識に反応しています。
たとえば、体が右に傾けば脳や姿勢筋が自然と対処してくれるため、多少の揺れを感じても気分が悪くなることはありません。
犬の耳の鼓膜の奥には、人間と同様に「内耳」と言われる場所があり、内耳には、位置情報や平衡感覚をつかさどる三半規管と前庭があります。
そして犬たちも同様、通常は乗り物などの揺れに関して体は無意識に反応しています。
たとえば、体が右に傾けば脳や姿勢筋が自然と対処してくれるため、多少の揺れを感じても気分が悪くなることはないのです。
しかし、その揺れや傾きが過度に起こると、三半規管や前庭で得た情報と視覚で感知した情報にずれが生じてしまい平衡感覚が保てなくなるのです。
その結果、脳の情報処理が追いつかず胃や腸などの消化器をコントロールしている自律神経に障害が生じてしまい、嘔吐などの車酔いの症状が引き起こされるというしくみです。
また、車内のニオイなども車酔いの原因となります。
ガソリンの臭いやたばこの臭い、人間にとっていい匂いである車内の芳香剤も、人間よりはるかに嗅覚の優れた犬にとっては刺激が強すぎるのです。
車に犬を乗せるときは、揺れだけでなくニオイにも注意が必要なのです。
車酔いしやすい犬種はある?
犬は比較的車酔いしやすい動物です。
本来、肉食動物である犬は、目の位置が顔の前についています。
一方、シマウマなどの草食動物は、野生の中で捕食者にいち早く気づくことができるよう、視野を広くするため目が顔の横についています。
そのため、草食動物にとっては景色が横に流れていくことが普通です。
しかし、犬のように目が前についている動物は、横に流れていく風景に慣れておらず車酔いしやすいとされています。
しかし車酔いをしない犬もいます。
車酔いするかしないかは、その個体差によるものが大きいようです。
ただ、飼い主間で車酔いしやすいと言われている犬種があります。
一部の飼い主さんの間で「ポメラニアン」や「フレンチブルドッグ」、「ボーダーコリー」に車酔いする子が多いと言われているようです。
ただし、これらの犬種であっても車酔いしない子、これらの犬種以外でも車酔いする子がいるように、犬の車酔いは個体差によるものが大きいと考えるべきでしょう。
子犬は車酔いしやすい
子犬のうちは車の揺れに不慣れということもあり、多くの子犬が車酔いしてしまうようです。
ただし、成長するにつれて車にも慣れてくると車酔いしなくなるケースは少なくはありません。
ちなみに、成犬期に車酔いしやすい犬の場合でも、老犬になると老化に伴って刺激に対する三半規管の反応も鈍くなっていくため、老犬は車酔いしにくくなってくるようです。
車への悪いイメージから酔うことも
犬の車酔いは、犬の精神面も大きく影響すると言われています。
例えば、前回車に乗った時に車酔いした経験から、車に乗ることへのマイナスイメージが先立って車に酔ってしまうことが多いのです。
この場合には、車に対する悪いイメージを払拭させてあげる必要があります。
車に対して楽しいイメージを持たせてあげましょう。
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