犬がペロペロする理由
犬が飼い主や人のことを舐める理由は、犬の愛情表現の一つです。
それでも、舐める部位によって少し異なる意味を持つことがあります。
犬が顔や口を舐めてくる時の理由
◆「大好きだよ」という愛情表現
犬が顔や口周りを舐めてくる時には、その人への親愛を表します。
信頼しています、大好きだよ、という気持ちを表現しているのです。
◆「お腹がすいたよ」のおねだり
子犬はお腹がすいた時、親犬の口元を舐めておねだりをします。
それと同様に、飼い主の口元を舐める時にも食事やおやつのおねだりをしていることがあります。
犬が手足を舐めてくる時の理由
◆「遊んでほしい」「構ってほしい」の甘えている
犬にとって人の手は、撫でてくれたりご飯をくれたり、犬にとって嬉しいことをしてくれる大好きな部分です。
そんな人の手を犬が舐めてくる時は、遊んでほしい、撫でてほしいと甘えているのです。
また、人の足を舐めてくる時も、構ってほしい、散歩に連れて行って欲しいと甘えていることが考えられます。
ちなみに、叱った後に舐めてくる場合には、「ごめんなさい」と甘えていることもあるようです。
◆「どんな人なの?よろしくね」のあいさつ
初対面の人の手をクンクンと匂いを嗅いでいるのは、その人がどんな人なのか信頼できる人なのかの情報を得ようとしています。
そして、その後に手を舐めきてくれるのは、信頼できると思ってくれた証です。
◆「もうしないでね!!」の忠告
犬が飼い主のことを噛んでしまった後に手を舐めてくる時の意味、それは「ごめんなさい」ではありません。
実は、「もうしないでね!!」「次やったら許さない」と強さを誇示しているのです。
この行動が見られる場合、犬との上下関係が正しく築けていないことがあるので注意しましょう。
犬が床や家具を舐める時
◆「いい匂いがする」食べ物の臭い
犬が床や家具を舐める場合、単に食べ物の臭いが付いていることから舐めていることが考えられます。
舐めることで香りを味わっているのです。
◆「暇だ」「モヤモヤ」のストレス発散
コミュニケーションや運動が不足している時に床や家具を舐めていることがあります。
また、不安や緊張などの気持ちを落ち着かせようと舐め続けることもあります。
◆癖になっている
食べ物の臭いやストレス発散などの理由からペロペロし始めたのをきっかけに、それが癖になっていることもあります。
犬のペロペロ 止まらくなる理由は?
飼い主が喜ぶと思っている
犬にペロペロされた時の飼い主のリアクションを覚えていて、笑ってほしい喜んでほしいと思ってしつこく舐め続けることがあるようです。
強迫性障害
コミュニケーションや運動不足など何らかのストレスから、ストレスを発散させようと舐め続けてしまうことがあります。
強迫性障害による「常同行動」という、ストレスからくる異常行動の可能性もあります。
運動不足やあまり構ってくれないストレスから起こる現象だと言われています。
日ごろから運動やコミュニケーションを取ってストレスを溜めさせないように気を付けましょう。
分離不安
分離不安とは、飼い主への依存性が極めて高く飼い主と離れて過ごすことができない精神的な病気のことです。
この病気によって、「舐める」という行動に出る犬もいるようです。
甘やかし過ぎず、一人でも平然と過ごせるように育てていかなければなりません。
犬のペロペロ 止まらなくなった時の対処法
犬が顔や口を舐めてくる時の対処法
愛犬が人の顔や口を舐めてくることは、その人のことを信頼しているからです。
無理に辞めさせる必要はありませんが、あまりにもしつこい時には、叱りつけたりはせず、顔をそっと逸らして頭を撫でてあげる、「おすわり」などの指示を出したりして落ち付かせてあげると良いでしょう。
舐められた時に「やめて~」など騒いでしまうと、飼い主が喜んでいると勘違いして癖になってしまうので冷静に対処しましょう。
犬が手足を舐めてくる時の対処法
犬が手足を舐めてくる理由も愛情表現やコミュニケーションのためです。
注意を他のことに向けてあげるようにしましょう。
頭を撫でてあげたり、おもちゃを与えるなどしてあげると良いでしょう。
愛犬からすると、ただコミュニケーションを取りたいと思ってしていることなので、どんなにしつこいからとは言っても、決して叱ったり厳しく当たることはしないようにしましょう。
犬が床や家具を舐めてくる時の対処法
床や家具には、ホコリや汚れ、ワックスなど犬の健康にも良くないものが付いています。
舐めることで嘔吐や下痢を引き起こす可能性もあるため、対処していかなければなりません。
まずは、食べ物などの匂いを残さないようこまめに掃除することや、日ごろのストレスを溜めさせないよう気を付けましょう。
また、ビターアップルなどのしつけアイテムを使って対処する方法もあります。
犬のペロペロ やめさせる方法
犬が人を舐めてくるということは、その人のことを信頼している証でもあります。
苦手だ嫌いだと思っている人のことを犬は舐めようとはしません。
犬の愛情表現の一つですから、あまり過敏にやめさせようとする必要はありませんが、初対面の人に飛びついてペロペロしてしまうようなことも防がなければならないので、舐め癖を助長させないようにしておく必要はあります。
犬のペロペロの危険性「人獣共通感染症」
犬から人に感染する人獣共通感染症があります。
その中でも、人の顔をなめることによって感染する可能性があると言われているのが「パスツレラ症」と呼ばれる感染症です。
犬は、75%もの確率で「パスツレラ菌」を保持していると言われています。
健康な人間であれば発症することはありませんが、免疫力の落ちている人や子供やお年寄りは感染のリスクが上がり気管支炎などを発症してしまいます。
こういったリスクを避けるためには、舐める行為を止めさせなければなりません。
犬のペロペロ やめさせる方法
犬のペロペロをやめさせるには、顔や手をそっと遠ざけて、「おすわり」や「待て」などの指示を出し、気持ちを落ちつかせてあげましょう。
舐めるのを止めて落ち着いて過ごせるようになったら褒めてあげる、これを繰り返していくことでペロペロに対して指示を出すだけで止めさせられるようになるでしょう。
◆ポイント
- 落ち着いて対処すること:リアクションを取るとペロペロを助長させてしまいます。
- 叱りつけたり厳しく当たらないこと:愛情表現で舐めているのに叱ってしまうことで信用が壊れてしまうこともあります。
- ストレスを取り除いてあげること
まとめ
言葉の話せない犬にとって、ペロペロ舐めることは感情表現の手段で、ほとんどが愛情表現など相手を信頼しているからこその行動でもあります。
それでも、異常なペロペロ行動には病気が隠れている可能性もあるので、その場合には獣医師に相談してみることをおすすめします。