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門脈体循環シャント
種々の犬種に認められますが、大型犬よりも小型犬で多くみられ、トイプードルも好発犬種の一つです。
先天性のものがほとんどで、多くは1〜2歳で発症します。
肉類を食べると症状が起こることを自ら知っているようで、菜食中心の食餌を好むことが多く、食が細いこともあります。
病気の定義
専門的にいうと、門脈と全身循環を架橋し、門脈血が肝臓を回避するような静脈奇形。
つまり、門脈と全身の静脈の間をつなぐ本来あるべきでないバイパスとしての静脈が存在してしまう状態です。
一般的には、肝内では大型犬、肝外では小型犬に多く発生するとされています。
症状
正常な犬では、腸管から吸収されたアンモニアや細菌の毒素は門脈を通って肝臓に入り無毒化されますが、門脈体循環シャントが存在してしまうことで、肝臓で無毒化されるべき有毒物質が直接全身にまわって、様々な症状を引き起こします。
- 食欲がなく、発育が悪い
- 活動性が乏しい
- 眠っていることが多い
- 食後2時間くらいで涎を流したり、壁づたいを歩いたり異常な行動がみられる
- 下痢、嘔吐
- 頻尿、血尿
- 発作
診断
・一般血液検査:小赤血球症、軽度の非再生性貧血。
・生化学検査:BUN、クレアチニン、グルコース、アルブミン、コレステロールの低値。
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