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ドーベルマンやピンシャーなどの元犬であるといわれるロットワイラー。日本ではなかなか見かけることの少ない犬種ですが、ロットワイラーのもつダイナミックさやおおらかさに惹かれる愛犬家は少なくありません。精悍な体躯と高い知的能力を持つロットワイラーのすべてをご紹介します。
ロットワイラーの基本情報
●原産国:ドイツ(大型犬)
●体高:オス61cm~68cm メス58cm~63cm
●体重:オス50kg メス42kg
●毛色:ブラック(頬・マズル・胸・喉・足等に鮮明なタン・マーキングあり)
頑強な体躯で強靭な力と鋭い歯を持つロットワイラーの噛む力は120kgもあるといわれています。
飼い主によるネグレスト、虐待、基本的しつけの失敗などによる、噛み付きによる不幸な死亡事故も過去にはありました。
ドイツでは危険犬種のリストに入っているロットワイラー。
専門トレーナーによるしっかりとした訓練やしつけが必要不可欠な犬種です。
本来は攻撃性のある犬種ではありません。
愛情深い素直な性格を持っています。
ロットワイラーを凶暴な危険犬種にしてしまうのは飼い主の責任です。
ロットワイラーを飼うのであれば、この犬種に対する深い専門知識と躾の徹底、住環境の整備が必須条件です。
ロットワイラーの歴史
あまり知られていないロットワイラーの歴史。
彼らは何処から来てどんな生活をしていたのでしょう。
ロットワイラーのすべてを知るためには欠かせない、その歴史を見てみましょう。
軍用犬から家畜犬へ
ロットワイラーは西暦73年頃、ローマ軍が遠征の時に牛を一緒に連れて行くときの家畜護衛犬だったといわれています。
ローマ軍が南ドイツに入り11世紀頃まで定住するようになると、家畜護衛犬だったこの犬も共にこの地で暮らすことになりました。
その後数世紀にわたりロットワイルという町で、家畜業者の牛追い犬や荷引き犬として活躍します。
ロットワイルとは屋根に使われるロット(赤い)ワイル(タイル)から生まれた町名で、ロットワイラーの名称はこの町の名前からつけられたといわれています。
町の発展とともに追いやられたロットワイラーの危機!
20世紀に入って交通の発達により鉄道や車による輸送が盛んになり、通行の邪魔になる牛追いが禁止されるようになりました。
行き場を失ったロットワイラーは、屠殺場や牧場などで大きな荷を引く犬として使われたことから「肉屋の犬」と呼ばれていました。
1800年の中頃になると、さらなる畜産業の発展と近代化により、ついにロットワイラーの仕事がなくなります。
1800年後半、ロットワイルの町にはたった1頭のメスのロットワイラーしか残らなかったといわれています。
愛犬家の手で蘇ったロットワイラー
1900年に入り絶滅の危機を迎えたロットワイラーを救うため、愛犬家達がロットワイラークラブを設立し公式にスタンダード化しました。
1907年には2つのクラブが設立され、そのひとつは警察犬として成長させるよう尽力しました。
1921年に2つの組織が合併され、1930年にはAKCの競技会に出られるほどの人気を取り戻します。
ロットワイラーは日本ではあまり見かけない希少犬種ですが、アメリカやヨーロッパでは多くの人達に愛されている人気犬種です。
ロットワイラーの特徴
ドーベルマンやピンシャーを作出するための元犬であったといわれているロットワイラーの身体的特徴を見てみましょう。
ロットワイラーの体の特徴
大型犬としてはコンパクトですが、がっちりした骨格と筋肉が発達した頑強な体躯を持っています。
体高よりも体長のほうが長く安定感のある体をしています。
太い首と大きな頭を持ち、マズルは太くアゴの力は強靭です。
耳はたれ耳で、尻尾は本来飾り毛のない先にいくほど細い垂れ尾ですが、断尾され短尾になっています。
断尾は虐待に繋がるという考えから、最近では断尾をしないブリーダーも増えてきています。
ロットワイラーの毛色や被毛の種類
毛色:毛色はブラック、目の上、マズル、頬、胸、足、尾の下にベージュやブラウンのタン・マーキングがあります。
地色のブラックとの境界ははっきりしています。
被毛:被毛はオーバーコートとアンダーコートからなるダブルコートで、短毛で光沢のある粗い直毛が密集しています。
ロットワイラーの相場価格
日本ではロットワイラーのブリーダーが少なく、平均となる相場価格というのもがありません。
15万以下で売られている仔犬から40万以上する仔犬まで大きな幅があります。
ペットショップの店頭で売られるということはまずありません。
ロットワイラーは大型犬ということもありますが、闘犬として飼われていた歴史を持つ犬種のため、力のある大人でも引きずられるほどの屈強な体躯と、噛み付かれると骨が砕けるほどの強靭な顎を持っています。
そのため小型犬のように誰にでも簡単に店頭で売買することができない犬種です。
販売者は購入する人がロットワイラーを飼えるだけの資質を持っているかを見極められるだけの専門的な知識が必要になります。
ロットワイラーは専門のブリーダーか、専門のブリーダーと譲渡契約しているペットショップで購入することが望ましいでしょう。
ロットワイラー専門のブリーダーから購入するメリット
ロットワイラー専門のブリーダーは犬種に対して深い専門知識があり、飼育に対しての適切なアドバイスを受けられ、ロットワイラーを迎えた後のアフターフォローもしっかりしてくれることが最大のメリットです。
ロットワイラーは仔犬のころからのしっかりとした専門的訓練が必須な犬種です。
ロットワイラー専門のブリーダーであれば、訓練施設を併設していることも多く、適切なドッグトレーナーを紹介してくれることもあります。
また、ロットワイラーは遺伝的疾患を持っていることがあります。
ロットワイラーの遺伝的疾患について深い知識を持ち、親犬の血統をしっかり管理して優良なロットワイラーを育てているブリーダーを探しましょう。
ロットワイラーのネット販売
最近では犬のネット販売が多くなってきています。
全国のブリーダーやペットショップがネットで仔犬を紹介販売しており、自宅にいながら多くの犬を探すことができます。
好みの犬種のブリーダーを見つけたい場合や、近くにペットショップがない場合には、簡単に検索することができるので便利です。
但し、実際に仔犬を購入する場合は、動物愛護管理法による対面説明義務があり、購入者は販売者から対面で説明を受ける必要があります。
気に入った仔犬のネット販売者が遠方の場合でも、その場に足を運んで対面での説明を受ける必要があることに注意しましょう。
毛色や血統・体躯の大きさによる価格の違い
ロットワイラーの毛色はブラックタンのみであり、毛色による価格の違いはありません。
ロットワイラーに限らず親犬がチャンピオンなどの仔犬は高値で売買されます。
日本では希少犬種のため、両親がチャンピオンのロットワイラーの仔犬は20万以上することも多々あります。
闘犬としての特徴を多く残しているロットワイラーは、大きいほど好まれる傾向にあり、体の大きい親の仔犬ほど高値になります。
生後日数による価格の違い
仔犬の生後日数による価格の違いはロットワイラーに限ったことではありませんが、日本では海外より生後日数が少ないほど高値になります。
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