人と犬の歴史
今でこそ、人間と犬が共存することは珍しいことではなく、犬も家族の一員として一緒に過ごしておられる方が多い世の中になりました。
しかし、最初から人間と犬が一緒に暮らしていたわけではありません。
人類と犬はどのようにして「共存」するようになったのでしょうか?
ご存じのように犬の祖先はオオカミです。
このオオカミは、群れで生活する動物で、嗅覚が大変優れています。
この嗅覚を使って、仲間に危険を知らせる。
いわゆる遠吠えをする動物ですが、この習性を人間は昔から利用してきました。
オオカミたちの遠吠えを聞いて、自らの身も危険から守っていたのです。
また、狩りを生活の基盤として行っていた人間ですが、その狩りにオオカミが付いてくるようになりました。
いつしかオオカミは狩りのおこぼれをもらうようになりましたが、そのかわりに人間に危険を知らせたり、獲物の居場所を教えるようになって行ったのです。
これが人と犬との共存のはじまりでした。
オオカミは、最初は「猟犬」として人間の傍にいるようになったのです。
それから、人間が改良したり、手を加えたりして現在の「犬」になったと言われています。
猟犬であったり、愛玩犬であったりと、目的別によって犬種が栄えてきたのです。
犬類最初の犬服はどんなもの?
では、犬はいつ頃から洋服を着るようになったのでしょう?
もちろん自ら服を着るという行動は取りませんので、人間がまずは犬に服を着せたのでしょうが、その歴史は実は明確にはされていません。
日本では、江戸時代に室内で犬を飼うことが流行っていました。
とりわけ、上流階級社会でそれが顕著にみられていますが、このとき、洋服こそ残っていませんが犬用の首輪や飾りが発見されています。
もしかすると、犬用の着物なんてのもあったかもしれませんよね。
これらは、機能性よりもお洒落に重点を置いていたためと思われますが、この頃には既に犬に装飾品をつけたり、着物を着せることは別におかしいことであるとはされていなかったことが伺えます。
最古の犬服については、不明ですが、洋服や着物ではなく、首輪や首飾り、胴輪のようなものが最初で、それが現在のルーツになっているとも言えます。
外国でも王族が飼っていた犬については、豪華な首輪や飾りをしている様子が絵に描かれたりしています。
猟犬に犬服を着せることはなかったと思いますが、お座敷犬・愛玩犬と呼ばれる犬については、かなり昔から犬服を着せておしゃれを楽しんでいたのかもしれません。
世界的に見る、犬服への考え
日本では、犬に洋服を着せる、特に外出時に洋服を着ていない小型犬を探す方が難しい時代になりましたが、これは外国ではどうなのでしょうか?
私の経験ですが、一般的に観光地と呼ばれる場所に犬を連れて出かけた時、海外からの観光客に遭遇し、写真を撮らせてもらえないかと言われました。
その時、犬自身ではなく「洋服を着ている犬」が珍しいようで、ものすごい枚数の写真を撮影なさっていました。
もしかすると、犬に洋服を着せるのは日本人だけなのかな?と思った覚えがあります。
外国では、特に広大な土地では大型犬を飼育されている方が圧倒的に多いため、小型犬自体が珍しいというのもあります。
中には、小型犬の犬種をあまりご存じなくて、チワワを始めて見た方が、「あの犬はまったく大きく成長しない。飼い主の虐待ではないか」と通報したという事例すらあるくらいです。
犬に服を着せることは、海外でもありうるのでしょうけど、日本のようにさまざまな種類の犬服や機能性のあるものはあまり海外では見られないかもしれませんね。
ただし、最近では韓国では犬服のブームでもあるようですので、お土産品として犬服を買われる日本人観光客も多いです。
犬服ひとつでも、お国柄が見えて面白いですよね。
欧米でも犬服は人気なの!?
年々多様化する日本の犬服ではありますが、一方、ペット先進国の欧米ではどうなのでしょうか。
日本にいながら、インターネットで欧米の犬服ブランドを購入できるように、欧米でも犬服というものは存在し、日本同様、愛犬に服を着せるということが同じようにあります。
それはファッションとして、防寒のためのジャケット、雨に濡れないためのレインコートなど実用的な目的など様々あります。
ただ日本と決定的な違いは、基本的に犬は自然な犬の姿でいさせるということを重視しています。
そのため、実用的な意味で洋服を着せる以外、ファッション目的の場合は、どこか特別なところに出かけるときやイベントの時に短時間、愛犬に犬服を着させるということがほとんどになります。
逆に、実用的な犬服に関しては、ある意味日本よりも進んでいることが多いでしょう。
例えば、寒い地域に住む犬の防寒具に関しては、徹底的に犬を寒さから守るために、生地からこだわり、人間のジャケットに負けないくらい質のいいジャケットを作っています。
犬用のライフジャケット、靴(ブーツ)などに関しても同様で、ファッションとしてのかわいさよりも、いかに安全に快適に犬を守れるかという観点で作られています。
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