フレンチブルドッグの飼い方・性格を動物看護士が解説します!

フレンチブルドック

フレンチブルドッグはよくガーガーと鼻を鳴らしているイメージがあると思います。
それは、この短頭種気道症候群が原因で起こっているものです。

後天的に引き起こることは少なく、フレンチブルドッグの場合は先天的なものがほとんどです。
フレンチブルドッグを検討しているという人は、このような疾患が起こりうることを理解して飼わなければいけません

フレンチブルドッグのなりやすい病気② 皮膚病

フレンチブルドッグは、とても皮膚が弱く、様々な皮膚病になりやすい犬種です
主な皮膚病は、アレルギー性皮膚炎や膿皮症などがあります。

どれもかゆみを伴うことが多く、舐めたりこすったりしてさらに状態は悪化し、脱毛したり出血したり膿がたまったりしてしまうこともあります。

皮膚病になってしまう原因としては、フレンチブルドッグがもともと皮膚のバリア機能が低下しやすいことにあります。
このバリア機能が低下することによって、乾燥肌になったり外からの異物が体内に入ってきやすくなります。

特に、顔や体のシワの部分も日々清潔にしてあげていないと、空気の通りが悪くなり、菌が繁殖しやすくなり炎症を引き起こし皮膚炎になることもあります。
食物アレルギーにもなりやすく、ドッグフードを食べさせていても、なんらかの原材料に反応して皮膚炎やかゆみがでてきます。

フレンチブルドッグのなりやすい病気③ 熱中症

熱中症とは、高温多湿な環境に体が適応できずに、体内に熱がこもってしまい、自分で体温を下げることが出来なくなってしまいます
このようなことが原因で全身の臓器の働きが弱ってしまうことによって様々な障害が起こることです。

犬の平均体温は、38度前後ですが、熱中症になってしまうと40度を超えてしまいます。

フレンチブルドッグは暑さに弱く、体内に熱がこもりやすいため、普段からハァハァと口を開けて呼吸をするパンティングをよくしています。
夏の暑い日は特にパンティングも激しくなり、頑張って体温調節をしているにもかかわらず熱中症になってしまうフレンチブルドッグも多くいます。

症状は、発熱や激しいパンティングの他に、下痢・嘔吐・震え・発作・呼吸困難・意識障害などが起こり、そのまま放っておくと、死に至る場合もありますのでとても怖いです。

最近では、人でも熱中症に気をつけるように呼びかけていることや、犬でも熱中症になるのが知れ渡っていき、室内での温度管理がしっかりできている飼い主が多くなってきているので、動物病院へ熱中症でくる犬は少なくなりました。
しかし、まだ犬の熱中症が知れ渡っていない時は、よく緊急で連れてくる飼い主は多かったです。

熱中症になった場合は、とりあえず体を冷やすことが第一になります。
涼しい所へ連れていき、水をかけたり飲ませたりして、それでも改善されない場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

フレンチブルドッグのなりやすい病気④ 口蓋裂

口蓋とは、口の中の上顎と鼻を隔てる壁のことをいいます。
口蓋裂とは、この口蓋が裂けてしまっている状態のことをいいます。

生まれてすぐ分かる先天的な口蓋裂と、交通事故などが原因でなる後天的な口蓋裂がありますが、フレンチブルドッグの口蓋裂は圧倒的に先天的な口蓋裂が多いです。
動物病院で帝王切開のフレンチブルドッグをとりあげるときには、必ず口の中をチェックしていますが、複数頭生まれて半分以上が口蓋裂で出てくる場合もあるほどフレンチブルドッグには口蓋裂が多いです。

口蓋裂になっていると、食べ物や飲み物など口に入れたもが、避けている口蓋から鼻に入ってしまい、鼻から出てしまいます。

フレンチブルドッグは、生まれつきの口蓋裂を持っていると、お母さんからの母乳も上手く吸えなくて、吸えたとしても充分に飲むことが出来ないため、栄養が不足してしまいます。
また、気管に入り、肺炎を起こしたり、呼吸困難を起こしたりしてしまうこともあります。
残念ながら、口蓋裂を持って産まれたフレンチブルドッグは、しっかり成長してくれる子が少なく、小さいうちに亡くなってしまう子が多いです。

もちろん、しっかり世話や管理をしていれば長生きしてくれるフレンチブルドッグもいますし、裂けている所を塞ぐ手術をしてくれる動物病院もあります。

フレンチブルドッグのなりやすい病気⑤ 眼瞼内反症

フレンチブルドック

眼瞼内反症とは、まぶたの靭帯が何らかの原因で、引っ張られたりゆるんだりすることで、まぶたやまつ毛が眼球ある内側に反転してしまう病気です。

上のまぶたより、下のまぶたが内側に反転することが多いです。
このまぶたが内側に反転することによって、まぶたやまつ毛が眼球を刺激したり傷つけたりしてしまいます。
そのため、目をよく気にしてこすり付けるなどし、さらに傷つけ、角膜炎や結膜炎、角膜潰瘍などの目の疾患になってしまうことが良くあります。
角膜炎や結膜炎になってしまうことによって、充血や目やにが増えて目がさらにショボつきます。

原因は、遺伝的なものもありますし、体重の減少や高齢化、まぶたの痙攣など後天的なものもあります。

先天的なものでは、子犬の時期の目が開き始めた頃から、ショボついていたり、涙や目やにが多かったりします。

治療法としては、眼球を刺激しているまつ毛を定期的に抜いてあげることや、状態によっては内反しているまぶたの矯正する手術を行う場合もあります。

フレンチブルドック,ボストンテリア

獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.3

2月 8th 2018

フレンチブルドッグのけがや病気の応急処置

フレンチブルドッグは、怪我も病気も比較的多い犬種です。
遊び好きで活発なので、遊んでいる最中に怪我をする場合や、頑固で凶暴になることもあるので、ケンカなどのトラブルになって怪我をして動物病院へくるフレンチブルドッグがいます。

怪我によって応急処置の方法は違ってきます。

まず、擦り傷や切り傷などで出血している場合は、綺麗なタオルやガーゼを使い、傷口を圧迫して出血を止めることが必要です。
切り方が悪ければ出血が止まらないこともあります。
興奮しやすいフレンチブルドッグですが、出血している時は興奮させないように気をつけてあげましょう。
噛まれたり喧嘩による傷を負ったりして、ばい菌が入ってしまっている場合があります。
傷口を洗い流して出血している場合は、圧迫してあげます。

フレンチブルドッグは、短毛で特に白系の毛色の場合は怪我がわかりやすいですが、ブリンドルなどの暗い毛色の場合、気づきにくいので気をつけましょう。
軽い怪我であれば、そのまま様子を見ていてもいいですが出血が止まらなかったり、傷口が大きかったりする場合は、動物病院へ連れていきましょう。

フレンチブルドッグは、短頭種気道症候群になりやすい犬種です。
どのフレンチブルドッグも多少の個人差はありますが、呼吸のガーガーという音やいびきや、ひどい時は呼吸困難に陥る場合もあります。
もし、短頭種気道症候群の程度がひどく、急に呼吸困難になったり、意識を失ってしまったりする場合は、パニックにならず落ち着いて換気のいい場所に移動して、気道が塞がらないような体勢にしてあげましょう。
落ち着いたら、行きつけの動物病院へ連れて行ってあげることをおすすめします。
あまりにも状態が変化しない、または悪化するようであればすぐに動物病院へ連れて行ったほうがいい場合もあります。

その他の病気や異変があった場合は、多少の応急処置は必要ですが、あまり長いこと様子をみずに動物病院へ連れて行くか、電話で指示を仰ぐことをおすすめします。

フレンチブルドッグが下痢をしたとき

フレンチブルドッグは、下痢をしやすい犬種です。

様々な原因で下痢をしますが、よくあるフレンチブルドッグの下痢の原因はアレルギー体質の子が多いことから、アレルギー性の下痢を引き起こしやすいです。

体に合わないものを食べると、皮膚に症状が出やすいですが、消化不良を引き起こし下痢も起こしてしまいます。
動物病院へ連れてき、普通の下痢止めの効きが悪ければ、食物アレルギー性の下痢を疑った方が良さそうです。

はっきり原因が分からない時は、まず下痢便を動物病院へ持って行き検査をしてもらいましょう。
持って行けない場合は、便の状態を獣医師に伝えると診断しやすいです。

その他の原因で下痢をすることも多いので、変わったものを与えていないか、ストレスを感じていないかなどの心当たりがあれば、それを取り除くことが大切です。

あまりにも回数が多かったり、他の症状が出てきたりしている場合は、大きな病気の可能性もありますので、家で様子を見ずにすぐに動物病院で診てもらいましょう。

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