獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.3

フレンチブルドック,ボストンテリア

獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.3 人気犬種フレンチブルドッグがどのような病気にかかりやすいか知っておこうシリーズVol.1では、軟口蓋過長症、外鼻孔狭窄症、気管形成不全とあわせて短頭種気道症候群と呼ばれる疾患について、Vol.2では、気管虚脱と口蓋裂という疾患について解説していきました。
ここVol.3では膝蓋骨脱臼とレッグペルテス病についてご説明していきたいと思います。

膝蓋骨脱臼

この膝蓋骨脱臼という病気は、フレンチブルドッグを含む小型犬に多発するといわれ、どの犬種にもおこる可能性はありますが、トイ種、ミニチュア種で発生が多いです。

病気の定義

専門的にいうと、「大腿骨滑車における正常な解剖学的位置から内方あるいは外方への膝蓋骨の変位。
」が膝蓋骨脱臼の定義になります。
つまり、膝のお皿にあたる膝蓋骨が定位置にはまらずに内側、外側に外れてしまう病気です。
小型犬では、75%が内方に脱臼するといわれています。

症状

初期はほとんど症状をおこしませんが、以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • スキップしたり、ケンケンする動作
  • 足が妙に蟹股だったり、内股である
  • 足をかばうような動作やびっこがみられる
  • 足をもちあげて地面につこうとしない

診断

一般的に、身体検査をおこない、触診において診断されます。
大腿骨、頸骨といった膝の上下の骨の形状の異常や捻転を確認するため、レントゲン検査が実施されることもあります。

治療

膝蓋骨脱臼の治療には、内科学的治療と外科的治療があります。
一般的に重症度が低い症例では、運動制限や消炎鎮痛剤、軟骨保護薬などの内服薬を用いる内科的治療で管理をすることが多いです。
また、重症度が高くなり、足を使えない状態ですと、膝蓋骨の位置を正常にもどし、膝の伸展運動が正常におこなえるようにするよう外科的治療が選択されます。

ポイント

フレンチブルドッグは、好奇心旺盛で陽気な性格、お散歩も大好きなことが多い犬種です。
もともと体つきもしっかりしていますが、肥満傾向にもなりやすいようです。
なので、ジャンプ運動やくるくると回転運動など膝に負担がかかる運動は避けつつ、適度なお散歩を心がけ、肥満にも注意していきましょう。

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