犬の大腸炎の原因と症状と治療法やについて

病院

パルボウィルス感染症が大腸炎を引き起こすウィルスの主な原因となりますが、大腸炎を引き起こすウィルスには、他にも犬ジステンパーや犬コロナウィルス感染症、犬伝染性肝炎なども下痢を伴う症状が出てくるため、大腸炎になる可能性は十分あります。

しかし、このようなウィルスによる感染症は、混合ワクチンで予防できるためしっかりワクチンを打つことをおすすめします。

細菌感染

細菌感染が原因でも大腸炎を引き起こします。細菌にもさまざまな種類があります。その中でも、下痢の症状を伴うものとして、サルモネラ菌やキャンピロバクターなどがあります。もちろん、細菌は数が多すぎて原因となる細菌が分からない場合も多くあります。このような、細菌感染をしてしまうことによって下痢などの消化器症状が引き起こされて、大腸に炎症を起こすことも少なくはありません。

食餌

食餌が原因で大腸炎になってしまうこともあります。いつも食べている食餌内容を変更したりすると、体に合わなかった場合に下痢や嘔吐などの消化器症状がみられることがあります。例えば、ドライフードを長年食べていたけれど、缶詰などのウェットフードに変えたというケースや、いつもはおやつを与えないが与えてから下痢を引き起こすようになってしまったというケース、また、傷んでいた食餌を与えたというようなケースがあります。食物アレルギーを起こした場合も消化器に症状が出ることもあります。このようなケースで原因が分からずそのまま変更した食餌を与え続けることによって下痢などの症状も悪化しそのまま大腸炎を起こしてしまうこともあります。

内部寄生虫

内部寄生虫とは、体の中に寄生することによって体に障害を引き起こしてしまいます。内部寄生虫にも様々な種類の寄生虫がおり、その寄生する場所も異なってきます。大腸炎を引き起こす可能性のある内部寄生虫は、大腸に寄生する鞭虫という種類のものです。鞭虫とは、体の前端は細く後端が太い細長い体をしており、成虫は盲腸の粘膜内に入り込んで吸血します。重度の場合は小腸にも寄生することもあり、下痢が長期間続きます。また、小腸に寄生する内部寄生虫には、回虫、鉤虫、糞線虫、瓜実条虫、コクシジウム、ジアルジアという種類のものがあります。これらの寄生虫が小腸に寄生した場合には、重症化すると大腸にも影響を及ぼして、小腸・大腸ともに炎症を引き起こすことになることがあります。

ストレス

人は、ストレスが原因で胃腸炎になることがよくあります。犬も人と同じで、ストレスによって消化器に影響を及ぼすことがあります。環境の変化などに敏感な犬や、神経質な性格の犬によく見られる原因です。引っ越しや、家族が増えた、普段行きなれていないところに連れて行ったなどの後に起こる下痢などの症状はストレスが原因の可能性があります。

犬の大腸炎の症状

大腸炎の主な症状は、下痢です。

下痢には、小腸のトラブルで起こる下痢と、大腸のトラブルで起こる下痢とではそれぞれの特徴があります。大腸炎を引き起こしている場合は、大腸性の下痢ということになりますので、どのような特徴の下痢が出るのでしょうか。

大腸性の下痢は1回あたりの量が少なく、回数が多いというのが特徴です。何度も排便姿勢を取る「しぶり」が見られ、その下痢便の中に粘液が混ざることもあります。また、重症化すると脱水や血便がみられることもあります。大腸から出血している場合には、血液がすぐに糞便中に出てくるため、赤色の血便となります。