獣医師が解説するフレンチブルドッグにかかりやすい病気 Vol.2

気管虚脱

気管虚脱は、小型犬でよくみられる疾患ですが、フレンチブルドッグにも認められます。
この犬種は呼吸器に関する他の疾患もおこしやすいので、注意が必要です。

病気の定義

気管虚脱とは、専門的にいうと、呼吸に伴って胸腔外または胸腔内の気管内径が力学的に減少する疾患です。
つまり、先天的な問題をはじめ色々な原因から、横断面にすると円形であるはずの気管が、呼吸に伴ってペタンとつぶれてしまう病気です。

症状

以下のような症状がみられたら注意が必要です。

  • ガーガーとガチョウ様の咳
  • 興奮時、運動中または首輪が頸部を圧迫するときに咳が悪化する
  • ガハーッと何かを吐き出そうとする動作(気道の分泌物を取り除こうとする動作)
  • 咳をしているとき下の色が紫色になる(重症時)
  • 呼吸困難(重症時)

診断

頸部と胸部のレントゲン検査で診断されることが最も多いです。
胸部外気管、つまり首のあたりの気管の虚脱は、息を吸うときにおこります。
一方、胸部内気管の虚脱は、息を吐くときにおこります。
レントゲン検査は、吸気時と呼気時に実施され、両者のレントゲン画像を比較するとそれぞれの部位によって気管が虚脱しているのが分かります。

治療

一般的に、内科学的治療が適応になることが多いです。
症状によって鎮咳剤、気管支拡張剤、鎮静剤ときにはステロイド剤などの内服薬が選択されます。
胸腔外の気管鏡脱に限って起こる場合は、外科的な整復手術がおこなわれこともあります。
具体的にはC型ステンという気管の円形を保持する器具を気管内の装着するという手技です。

口蓋裂

雑種犬より純血種の犬において発生率が高いとされています。
好発犬種にはフレンチブルドッグを含め、ボストン・テリア、ペキニーズ、ブルドック、ミニチュア・シュナウザー、ビーグル、コッカー・スパニエル、ダックスフンドなどが挙げられます。

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