犬は散歩で外を歩くことで運動不足を解消し、外の空気を吸いリフレッシュし、足で地面を歩き脳を活性化させます。
そんな愛犬との生活に欠かせない毎日の散歩ですが、真夏の暑い時期は気温が高いだけでなく、直射日光で熱くなってしまったアスファルトはやけどの危険があるので、かなりの注意が必要です。
そんな暑い時期、散歩に適した時間帯はいつなのか、熱中症や紫外線、肉球のやけど、虫刺されといった夏のトラブルから愛犬を守り、快適な散歩をするための対策法をご紹介いたします。
夏の散歩の危険性
まず夏の散歩にはどんな危険があるかを解説いたします。
私たちが思う以上に犬たちはデリケートなので、私たちがきちんと気配りする必要があります。
60度以上の高温になる地面
暑い日の地面を手で触ったことがありますでしょうか?
直射日光で温められたコンクリートやアスファルトの表面は、60度以上になることがあります。
私たちは靴を履いているためやけどをする経験はありませんが、犬は直にその熱を肉球に受けてしまいます。
肉球は厚くて丈夫とはいわれていますが、高温になっている地面は決して平気ではありません。
やけどしてしまう可能性はかなりあります。
また犬は地面に近いところを常に歩くため、直射日光の照り返しで、熱気をダイレクトに受けます。
熱い地面と照り返しの熱で、熱中症の危険性がかなり高まります。
夏の散歩では必ず、出発前に飼い主さんがご自身の手で地面を触り、10~20秒触っていても大丈夫かどうか、チェックしてから出かけるようにしましょう。
熱が発散しきれない
人は暑くなると汗をかき、それが蒸発するときに体温を奪って気化し、体温を下げることができます。
しかし犬には肉球にしか汗腺がありません。
そのため人のように、汗をかいて体温調整をすることができません。
犬たちは、体に溜まった熱を逃がすために「パンティング」(口を開けて舌を出し、ハァハァと速い呼吸をする行動)をし、舌を出すことで唾液を蒸発させて、体内の熱気を吐き出しながら涼しい空気を取り込み、体温調整をします。
しかし暑い夏時期は、パンティングだけでは熱処理が間に合わず、熱中症になってしまうことがあります。
正常な呼吸数について
犬の正常呼吸数(安静時)は、小型犬…25回前後(1分間)大型犬…15回前後(1分間)になります。
興奮していたり、夏場の暑い日にはこれ以上の呼吸数にはなりますが、落ち着いてくると正常数に戻っていきます。
パンティングと共に呼吸数が長時間収まらないときは異常を示すサインの可能性があります。
呼吸数を意識し、おかしいと思ったときには動物病院に急いで行くようにしましょう。
熱中症の症状と対処法
夏の暑い時期は、とにかく熱中症にならないよう工夫が必要になります。
ただどんなに気を配っていても、熱中症になってしまう可能性はゼロではありません。
熱中症になったときの症状と対処法を知っておくことは、いざというときに愛犬の命を救うことになります。
ぜひ覚えておいてください。
熱中症の症状
- 呼吸が荒い(パンティング)
- 落ち着きがなくなる
- ぐったりして動かない
- よだれが出る
- 元気がない
- 舌や口の中が赤い
- 自ら水を飲んだりご飯を食べようとしない
これらの症状が見られたときは、熱中症になっている可能性があります。
さらに熱中症が進行すると、
- 嘔吐や下痢
- 吐血、血尿、血便
- 歯茎が白くなる
- 舌などが紫色になる(チアノーゼ)
- 呼びかけに反応しなくなる
- 意識がなくなる
と重篤な症状に変わっていきます。