【動物看護士が解説】犬のできものの種類と原因、考えられる病気から治療法まで

良性の薄ピンクのできものでも、黄疸が出ていて皮膚が全体的に黄色くなっている場合は、特に黄色いできものに見えやすいです。

 

赤色のできもの

赤色のできものは、ピンク色よりも濃く見えるようなものです。
良性のイボやパピローマウイルス、湿疹などの皮膚炎によっても色が濃く見えて赤くなることもあります。
また、炎症が酷ければ酷いほど赤くなります。

黒い・赤黒い・紫のできもの

真っ黒なできものは、ホクロや色素沈着の可能性があります。
このような場合は特に心配はいりません。

しかし、黒っぽかったり赤黒かったり、紫っぽいような色の悪いできものは、あまりいいものではない可能性が高いです。
悪性の腫瘍である可能性が高くなります。
見つけ次第早めに動物病院へ連れていき、診てもらうことをおすすめします。

まれに、吸血したマダニを付けてできものができたと動物病院へ来院する犬もいます。
マダニも吸血すると大きくなるので、びっくりしてできものができたと思う人もいるようです。
もし、マダニだと気がついたとしても、自己判断でとらずに動物病院へ連れていきましょう。

 

犬のできものから考えられる病気

犬のできものから考えられる病気は、とても多いです。
全てを紹介できるのは難しいので今回、できものを主訴として来院する例で多いものを紹介していきます。

膿皮症

膿皮症は、犬に多い皮膚病です。
ピンクよりも濃い赤色の発疹が皮膚の様々な所にでき、それが広がっていきます。
この発疹をできものとして来院する犬もとても多いです。
膿が溜まると、白や黄色っぽい発疹になります。
痒みがあったり、脱毛したりします。
膿皮症は、皮膚の常在菌のバランスが崩れ、ブドウ球菌が異常繁殖することによって起こります。

皮膚炎

皮膚炎は、何らかの原因による皮膚の炎症です。
皮膚がただれたり、発疹がでたりするため、赤いできものができます。
また、アレルギー性、皮膚炎やノミアレルギー性皮膚炎などは、皮膚が腫れることもあるので、それをできものとして来院する犬もいます。
ひどくなると、膿皮症を引き起こします。

乳頭腫

乳頭腫は、皮膚にできる良性のイボです。
色は薄ピンクのものや白いが多く、カリフラワーのような形状です。
皮膚以外でも、口の中や唇、まぶたにもできることがあります。

乳頭腫は、パピローマウイルスの感染で発生します。
抵抗力が弱い子犬や老犬になりやすく、良性であれば治っていきます。
しかし、まれに、悪性に変化することもあるので気をつけて見ておかなければいけません。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、主に避妊手術を行っていないメス犬に多くみられる乳腺の腫瘍です。
犬の乳腺腫瘍の50%は良性、50%は悪性の腫瘍になります。
お腹の乳腺にできものが出来て、それに気付いて来院する犬がほとんどです。
良性の腫瘍であれば、皮膚と同じピンク色のできものができ、大きさは小さいものや大きくなるスピードが遅いのが特徴です。
悪性の腫瘍であれば、最初は良性のようなできものに見えますが、大きくなるスピードが早く色も紫色、赤黒っぽい色、黒色に変色していきます。

脂肪腫

脂肪腫とは、脂肪の塊です。
皮膚の下に脂肪が異常に増えることによってできもののようになります。
基本的には良性の腫瘍です。

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