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犬の芸(トリック)としつけの関係
しつけとは?
「犬にはしつけが必要」と言いますが、なぜ必要なのか考えたことはありますか。
犬のしつけというと、トイレやお座り、待てや伏せ、おいでなどがあります。
これらは犬が人と暮らす上で双方にとって大切なことです。
例えば、興奮してしまっている犬を落ち着かせるためにさせる「おいで」や「お座り」「伏せ」、外出先で障害物から犬を守るために「待て」も使うことがあるでしょう。
また、万が一災害が起きて避難する際、最低限のしつけが入っているのといないのとでは、避難のスピードにも差が出てくるでしょう。
つまり、犬のしつけは犬の安全を守る役割も持ち、さらに飼い主や周りの人が快適に過ごすためにも必要なことなのです。
芸(トリック)とは?
一方で、芸(トリック)はというと、簡単なものでいうと「お手」や「おかわり」がありますね。
他にも「バキューン・バーン」や「ハイタッチ」など様々な芸の種類があります。
それでも、これらの芸はできてもできなくても犬も人も不便はありません。
それでは一体何のために芸を教えるかを見ていきましょう。
犬に芸(トリック)を教えるメリット
それでは、なぜ犬に芸を教えるのでしょうか?
犬に芸を教えるメリットには以下のようなことがあります。
芸のメリット① 人とのコミュニケーションツールになる
例えば「お手」や「おかわり」「持ってきて」などという芸を教える時、犬にとってそれは、飼い主さんとの大事な遊びの時間になります。
1つのことをやってみてできて、飼い主さんに褒められる。
それは犬にとっての喜びでもありますし、飼い主さんにとっても犬とコミュニケーションを取るためにも良い時間となるでしょう。
また芸をマスターした後も、「持ってきて」の合図で、犬は自分のお気に入りのおもちゃを、飼い主さんのところまで持ってきて、一緒に遊ぶこともできますよね?
そういうことでも芸はコミュニケーションツールの1つとなり得るのです。
芸のメリット② 認知症予防になる
芸を覚えるとき、犬は一生懸命考えて理解し動こうとします。
当然、その時脳はフル活動をしています。
犬は身体運動だけではなく、脳の運動も大切です。
脳を定期的に刺激してあげることは、将来の認知症の予防にもつながります。
芸のメリット③ 何よりもかわいい
飼い主さんだけじゃなく、例えば家族や友人の前で、挨拶をするように「お手」をしてくれたり、頼めば何かを持ってきてくれるなんて、かわいい以外に表現できないくらい、愛らしいですよね。
かわいいと笑顔で撫でられれば、犬だって幸せなはずです。
かわいがられる犬はそうでない犬より幸せだと思いませんか?
犬に芸(トリック)を教えてみよう!!
教え方のポイント
ポイント① 犬の芸(トリック)トレーニングは根気よく、短時間で
犬の芸には、簡単な「お手」や「おかわり」などから、やや難しい「持ってきて」や、「バーン」や「ゴロン」の合図でお腹を見せてくれるものまで様々です。
犬もその難易度によって、覚える時間も変わってきます。
ついつい飼い主さんも集中して教えたくなりますが、犬の集中力は持って10〜15分程度です。
短時間のトレーニングを根気よく続けてみてください。
ポイント② 基本コマンドを先に習得しておくこと
犬のしつけに必要な基本コマンドを先に習得しておくと、芸(トリック)を教えるのがスムーズになります。
例えば、「お手」などの芸は、犬がお座りの状態から、「バーン・バキューン」などは、「伏せ」の状態から教えることになるでしょう。
どんな芸を教えるかによっても変わりますが、最低限「おすわり」「伏せ」「マテ」を習得させておくと良いでしょう。
それらの指示ができるようになったら、ある程度犬にも自信がついてくるので、基本コマンドから徐々にステップアップさせながら芸を教えていきましょう。
ポイント③ 無理やりではなく楽しみながら教えること
犬に芸を教えるときは楽しみながら教えるようにしましょう。
うまくできない、早く覚えてほしい、という気持ちから、芸を強制しようとして叱ったり無理やり教えるようなことはしないようにしましょう。
遊びの中で楽しみながら習得していけるのがベストです。
ポイント④ 褒めるタイミングが大切!!
犬のしつけの時と同様、芸(トリック)を教えるときも褒めるタイミングが大切です。
指示通りの行動ができたら、そのタイミングですぐに褒めるようにしましょう。
ポイント⑤ 指示語はわかりやすい言葉で統一すること
指示を出す言葉は、同じ動作を指示する言葉でも「お座り」「座れ」「シット」など様々な言葉があります。
毎回違う言葉で指示されると犬は困惑してしまうでしょう。
同じ動作を指示するとき、特に家族間でその指示語がバラバラにならないようしましょう。
また、別の動作であっても、「お座り」「お回り」「おかわり」などのように似た単語がありますが、できるだけ似た単語は使わず、「座れ」「スピン」「おかわり」など犬がわかりやすい単語を使うようにしましょう。
ポイント⑥ 気が散らない環境で行うこと
犬の集中力を高めるためには、気が散らない環境で教えるようにしましょう。
テレビなどの音、おもちゃなどの誘惑、多頭飼いであれば周りにほかの犬がウロウロしているような環境も気が散ってしまうでしょう。
また、ご褒美のおやつの効果を高めるためには、食後よりもおなかが空いている時に行う方が効果的となるでしょう。
芸を教えるための2つの学習パターン
犬に芸やしつけを教える方法には、大きく分けて二つの方法があります。
「オペラント条件付け」という方法と「古典的条件付け」という方法です。
オペラント条件付け
「オペラント条件付け」とは、行動とその結果の関連性を学習することです。
「これをすれば褒められる」「これをしたら怒られる」ということを理解させていく方法です。
この記事で紹介する芸の教え方はほとんどこの方法に当たります。
オペラント条件付けには大きく分けて4つの学習パターンがあります。
- 正の強化
ごほうびを提示して行動が増えることで、例えば、「お手」をする度におやつを与えることで、犬が自発的にお手をするようになるなどです。
- 正の弱化
おしおきをすることで行動が減ることで、例えば、テーブルの上に乗るたびに叱り続けることで、犬がテーブルに乗らなくなるなどです。
- 負の強化
罰を取り除くことで行動が増えることで、例えば、テーブルに乗っても叱らなくなることで、犬が調子に乗ってどんどんテーブルに上ろうとするなどです。
- 負の弱化
ごほうびを取り除くことで行動が減ることで、例えばワンワン吠えても無視することで、犬が要求吠えをしなくなるなどです。
これらの条件付けを理解した上で、犬に芸を教えて行くとスムーズに覚えさせる事が出来るようになるでしょう。
古典的条件付け
「古典的条件付け」とは、異なる2種類の刺激を頭の中で結び付けて学習することで、動作に声掛けを関連づけて犬に覚えさせるしつけ方法です。
例えば、ベルを鳴らして犬に御飯を与えるようにしていくと、何度か繰り返していくうちに、犬はベルが鳴っただけで御飯が貰えると想像し、よだれを垂らすようになります。
初めは自分にとって反応を起こすほどでもなかった事が、何らかの感情や反応が引き金になって後天的に意味が加わってしまう事を「古典的条件け」といいます。
ここでのポイントは犬にとってご褒美や罰が無くても成立するという事になります。
実際に芸を教える上での例を挙げると、日ごろ犬が何気なくするしぐさ「伏せ」をする瞬間に、「伏せ」という言葉をかぶせ褒めることで、その行動が伏せという行動で「伏せ」という言葉でこの行動をすれば褒められるというように教えることができるというわけです。
こんなにたくさん!!犬の芸(トリック)の種類と教え方
芸の種類① 「お手」
最初に簡単に教えやすい芸(トリック)は「お手」になるでしょう。
最も定番な芸ではありますが、「お手」を教えておくことで、散歩から戻った時の足拭きや爪切りの時などにも役立ちますよ。
【教え方】
① おすわりの状態にさせる。
② ご褒美のおやつを1つ持ち、グーに握っておく。
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