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犬にとって「伏せ」とは?
犬の伏せには飼い主の指示に従ってする「伏せ」と、犬が自発的にする「伏せ」があります。
犬が自発的にしている伏せの姿勢は、犬のボディランゲージであるカーミングシグナルのひとつです。
犬が自発的に伏せをする理由にはどんなものがあるのでしょう。
犬が伏せをする理由① 敵意がないことを知らせるサイン
体を低くして相手に敵意がないことを知らせています。
他犬と出会ったときなどに争いを避けるためにとる姿勢です。
自分が伏せの姿勢をとることで相手の気持ちも落ち着かせようとしています。
相手に対して好意を持っているときにも伏せをすることがあります。
犬が伏せをする理由② 気持ちを落ち着かせる
嬉しいときや不安なとき、そわそわして気持ちが落ち着かないときなど、自分の気持ちを制御するために伏せの姿勢をとることがあります。
このように「伏せ」の姿勢をとることで、どんなときでも自分の気持ちをコントロールできる犬は、非常に落着いた精神状態を保てているといえます。
犬が伏せをする理由③ 退屈している
遊びたいのに誰も相手をしてくれなかったり、散歩に連れていってもらえなかったりして退屈しているときも、上目遣いで恨めしそうな顔をして伏せをします。
いたずらをしたりして飼い主に叱られているときにも伏せの姿勢をとることがあります。
一見反省しているように見えますが、実は飼い主の叱言にうんざりしているだけなので、間違っても褒めたりしないようにしましょう。
「伏せ」をしつけることの大切さとは?
犬に伏せを教えることにはどんな意味があるのでしょうか。
人にとってのメリット、犬にとってのメリットなど、人と犬との共同生活において「伏せ」をしつけることの大切さについて考えてみましょう。
「伏せ」のメリットその① 長時間おとなしく待たせることができる
犬に伏せを教える目的は、指示に従ってすぐに伏せの姿勢をとらせることだけではありません。
伏せの本当の目的は伏せの姿勢を保ったまま、長時間おとなしく待つことができるようになることです。
海外ではお店の外でリードもつけず、伏せの姿勢でじっと飼い主が出てくるのを待っている犬や、カフェでおしゃべりに夢中な飼い主の足元で、静かに伏せをして待機している犬をよくみかけます。
日本ではノーリードにはできませんが「伏せ」と「待て」をしっかり覚えさせることで、飼い主の指示通りに静かに長時間待っていることができるようになります。
電車の中での盲導犬や介助犬を見ていると、しっかりとこのトレーニングがされているのがわかります。
伏せは犬が人間社会の中で人と共存していくためにとても大切なしつけなのです。
「伏せ」のメリットその② 伏せは犬に負担のない楽な姿勢
お座りも同じ待機の姿勢ですが、ご飯をあげる前や、散歩中に人や犬に向き合ったときなどの短い時間落ち着かせるために出す指示です。
伏せは人が食事している間や、来客と会話中など、長時間落ち着いて待機させるときに使います。
伏せはお腹全体を床につける姿勢をとります。
伏せは犬にとって楽で負担のない姿勢なので、リラックスして長時間落ち着かせることができます。
また、伏せは犬にとって楽な体勢であるだけでなく、立ち上がりに時間がかかることもあり「待て」のしつけが入りやすくなるのです。
「伏せ」と「待て」はセットで使おう!
伏せだけを教えても、すぐに立ち上がってしまっては意味がありません。
「伏せ」と「待て」の指示は連続して使います。
「伏せ」の状態で長時間の「待て」ができるようにトレーニングしましょう。
動物行動学者やプロのトレーナーなどによると、毎日15分「伏せ・待て」のしつけをくりかえすことが有効なのだそうです。
「伏せ」は危険回避の切り札
公園やドックランなどで子供や他犬に飛びかかったり、いきなり興奮して吠えたりしたときに、飼い主が主導権を持っていると、伏せの一声で落ち着かせることができます。
気持ちのコントロールができない犬は、思わぬ行動に出て事故や咬傷事件に繋がることがあります。
伏せができることで飼い主の指示に従えるため、このような危険を回避することができるのです。
犬の伏せのしつけ方
●手におやつを持ち犬の頭の上にかざすと自然とお座りの姿勢になります。
続けておやつを犬の鼻先に近づけます。
犬が立ち上がらないように犬の目線より高いところにおやつを持っていかないようにしましょう。
この時点では「伏せ」の言葉を理解していませんので、言葉かけはいりません。
●おやつを座った状態で食べられるところから、ゆっくりそのまま下に下ろしていきます。
●犬の肘が地面につくまでおやつを使って誘導していきましょう。
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