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下痢を起こす病気でよくある原因は、消化器系の炎症や腫瘍、異物などのトラブル、寄生虫によるもの、ウィルスや細菌感染によるもの、ホルモン系の病気などが挙げられます。
犬の下痢止めの作用
下痢止めの薬の作用には様々なタイプがあります。その下痢の原因や症状によって使い分けることで、下痢を止めることができます。
整腸作用
下痢を起こす原因の一つとして、腸内細菌のバランスが乱れてしまうことがあります。整腸作用は、腸内の善玉菌を増やしたり、腸内細菌のバランスを整えたりする役割があり、ゆるやかに下痢を直してくれる働きがあります。整腸作用を期待して処方される下痢の場合では、ビオフェルミンなどが有名です。
腸内殺菌・腸内静菌作用
下痢止めの腸内の殺菌・静菌作用は、細菌が原因でおこる下痢に効果的です。サルモネラ菌やキャンピロバクター、病原となる様々な大腸菌などに感染することによって起こる場合にその腸内の細菌を殺したり静めたりする役割があります。
腸の蠕動運動調節・腸管内水分調節作用
腸の過剰な働きを抑制するために神経の働きを抑えたり、腸の蠕動運動を抑制し水分の分泌を抑えたりする作用があります。
腸粘膜保護
腸の粘膜の炎症を抑えたり、炎症によって傷ついた腸粘膜を保護したりする役割があります。
犬に下痢止めを使ってはいけない時
下痢止めの薬には、様々な作用をもつ様々な種類の薬があります。しかし、この下痢止めの薬ですが、使わないほうがいい場合の下痢があります。下痢をしているからといって自己判断で使うことによって、下痢の症状が治まらなかったり、病状を悪化させてしまったりする場合もありますので、注意が必要です。
では、犬に下痢止めを使わないほうがいいケースとはどのような場合があるのでしょうか。
細菌性・ウィルス性の下痢の場合
下痢止めの作用の中には、悪い菌を殺したり静めたりする作用はあります。しかし、その細菌の種類や状態によっては下痢止めを使うことによって体外に排出できなくなり、さらに細菌が増加したり症状が悪化したりすることもあります。また、体内で増殖すると命に関わるウィルスもありますので、できるだけ体外に排出したほうがいい場合であれば下痢止めを使わないほうがいいです。
寄生虫が原因の場合
寄生虫は、内部寄生虫といって主に腸内に寄生するものが多いです。この腸内に寄生する寄生虫が原因で起こる下痢の場合も下痢止めを使わないほうがいいでしょう。寄生虫が原因の場合は、抗寄生虫薬を使用し、体外に排出させる必要があります。ここで下痢止めを使用した場合は、腸内で寄生虫が増殖してしまい、症状が悪化する可能性もあります。
急な下痢や発熱や血便を繰り返す場合
急に激しい下痢を引き起こしたり、発熱や血便など他に症状がみられたりする場合は、体が毒素を排出しようとする大切な現象の場合もあります。このように急な場合や他にも急な症状が出ているようであれば、自己判断で下痢止めを使うことはおすすめしません。すぐに動物病院で診てもらい獣医師の指示に従うことが大切です。
まとめ
下痢を引き起こす原因はとても様々です。家に下痢止めを常備薬として置いている場合でもその下痢止めの作用や種類は多種多様です。また、その原因によっては下痢止めを使用してさらに悪化させるおそれもあるので、自己判断で愛犬に使用するのは止めておきましょう。
体質的に消化器が弱かったり、ストレスに弱かったりする愛犬がいてよく下痢を起こす場合は、かかりつけの獣医師と相談して下痢止めを常備して正しく使用しましょう。