症状は、嘔吐や水様性の激しい下痢と腸管内の出血を起こすことから、下痢血便が目立ちます。重度の脱水を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
消化器の腫瘍
胃や腸などに腫瘍ができることで消化器の機能が低下し、下痢を引き起こします。また、粘膜に傷がつきやすくなったり、腫瘍自体からの出血があったりすることによって下痢血便を引き起こす原因となります。胃や腸だけでなく、口腔内や食道などにできる腫瘍が原因で下痢血便を引き起こすこともあります。
腸閉塞
腸閉塞とは、異物や腸管内の腫瘍、腹腔内の臓器の腫瘍による腸の圧迫、寄生虫、腸重積などが原因で腸が閉塞してしまい、腸内の通貨障害が起こる疾患です。
腸閉塞になってしまうことで、腸の機能が低下し下痢を引き起こす上にそれぞれの原因が腸内の出血をおこし、下痢血便を引き起こす原因となります。
膵炎
膵炎とは、膵臓の炎症で急性膵炎と慢性膵炎とに分けられます。特に急性膵炎は急に症状がでて激しい下痢や嘔吐などを起こし、下痢血便を起こすことも多いです。重篤な場合では、数日で死亡してしまうこともあります。
犬が下痢血便となったときの治療法
愛犬が、下痢血便となった場合の治療法は、基本的には原因を突き止めてその病気に対応した治療法となります。
消化器に炎症が起こっていれば、抗炎症剤や止血剤を使用したり、下痢がかなりひどく脱水を引き起こしている場合は、輸液をしたりすることもあります。下痢止めを使う場合もありますが、場合によっては下痢止めを使うことで症状が悪化する場合もありますので、慎重に治療をする必要があります。また、状態によっては入院をさせる必要があります。
寄生虫が原因であれば、寄生虫を殺す作用のある薬を投与します。
犬が下痢血便となったときのホームケア
愛犬が下痢血便となったときに家で出来るホームケアは、お尻周りを清潔に保ってあげるということが一番大切になります。
下痢が続くとお尻周りがどうしても汚れてしまいます。その状態で放っておくとお尻周りの毛は不潔になり、皮膚もただれてしまいます。さらに血便を起こしている場合に清潔にしておくことで、その便の状態も観察しやすくなります。抵抗がないのであれば、お尻周りの毛を短くしたりバリカンで剃ってあげたりすると、清潔な状態を保ちやすくなります。