パグの飼い方・性格を動物看護士が解説します!

壊死性髄膜脳炎とは、脳の炎症が進み、萎縮してしまい最終的には死に至るとても怖い病気です。

初期症状は、突然の発作や視力の低下がみられます。
また、いつものような動きをしなくなったり、徘徊や同じ所をぐるぐると回ったりといった症状も出てくる場合もあります。

これが進行すると、何度も発作やけいれんを起こします。
また、ぐるぐる回る旋回運動もひどくなったり、首を傾げたようになる斜頸という状態になります。

さらに進行すると、立ち上がることが困難になり、意識障害や遊泳運動、また、発作が止まらなくなり昏睡状態に陥りそのまま亡くなる場合もあります。

残念ながら、明確な治療法はまだ分かっていません。
治療に反応して、少しマシになっても、完全に治すことはできないのが現実です。

パグのなりやすい病気④ 短頭種気道症候群

短頭種気道症候群とは、短頭種の特徴である、平らな顔や丸い頭の形、短くて太い首などの頭部や頸部の構造が原因で引き起こる閉塞性気道障害の総称です。

狭窄性外鼻孔、軟口蓋過長症、喉頭室外反、気管低形成、気管虚脱、扁桃の肥大など、様々な気道閉塞を示すものがあります。

原因は、短頭種の骨格の特徴が原因です。
頭蓋骨が丸いため、鼻腔が圧迫されて喉が変形しているために、引き起こります。

狭窄性外鼻孔とは、鼻の穴と鼻腔が狭いことによって様々な症状が出てくる疾患です。
症状は、呼吸をする際にブーブーと鼻がなったり、寝ている時のいびきが酷くでたりします。

また、鼻水をよく飛ばしたり、酷くなるとチアノーゼといい、酸素が充血に供給できなくなり、下が紫色になったりします。

軟口蓋過長症とは、口の中の軟口蓋と呼ばれる上顎の奥の柔らかい所が、正常より長いことで呼吸が妨げられて起こります。

喉頭室外反とは、声帯の横にある喉頭室という所が炎症し、浮腫を起こし腫れることによって気道が狭まり、呼吸が妨げられます。

これらの症状は、呼吸する時にガーガーと音がなったり、大きないびきをかいたりします。
呼吸がしにくいので、パンティングをしたり、呼吸困難を引き起こしたりする場合もあり、チアノーゼも起こることがあります。

気管低形成とは、先天的に気管が狭い状態のことをいいます。
気管虚脱は、呼吸をする際に狭くなったり広がったりしますが、気管低形成は呼吸関係なく常に狭い状態です。
気管低形成と気管虚脱の主な症状は、咳ですが、重症化すると呼吸困難を引き起こします。

これらの疾患以外でも、口腔内や扁桃などの腫れが原因で気道が閉塞してしまい、呼吸障害を起こす可能性があるので、注意が必要です。

短頭種気道症候群の基本的な治療は、外科手術がメインとなります。
内科的に治療する場合は、完治するものではなく、症状を少しでも和らげることを期待して治療します。

パグは、短頭種なので、短頭種気道症候群を完全に予防することはできませんが、少しでも症状が酷くならないように、肥満にならないように食事管理をしっかりすることや、激しいパンティングを防ぐためにも温度管理も必要になります。

パグのなりやすい病気⑤ 熱中症

熱中症は、短頭種や肥満の犬になりやすい疾患です。
パグというだけでも注意しなければならない熱中症ですが、肥満のパグの場合は夏場もっと注意しなければなりません。

熱中症とは、体温調節が追いつかなくなって体の中に熱がこもってしまう状態となり、様々な症状を引き起こす疾患です。

症状は、呼吸が荒くなり、激しいパンティングをします。
体温調整ができなくなり、体温や心拍数が上昇します。
さらにひどくなると、ぐったりし下痢や嘔吐をする場合もあります。
ふらつきやチアノーゼがおこり、発作が起きたり意識障害が起こったりし、最悪の場合は死に至ります。

最近では、一家に一台はエアコンがあるので、室内での熱中症は少なくなっていますが、たまに留守時にエアコンを切って家を出て帰ってくると、愛犬がぐったりしているということで、来院されることがあります
また、室内だけではなく、暑い時間帯の散歩や車の中の留守番でも熱中症になることがあります。

熱中症は、飼い主が気をつけてあげることによって、防ぐことができるものです。
パグを飼っているということは十分な温度管理をしてあげなければいけないということを、しっかり頭に入れておくべきです。

留守中でも、暑い日はエアコンをつけてあげること、車内で放置しないこと、暑い時間帯の散歩は避けるということなど、少し気をつけてあげることで予防ができるのです。
また、肥満にならないように食事管理も気をつけてあげることも大切です。

パグのけがや病気の応急処置

パグは、病気は多いですが、怪我は少ない犬種です。
おそらく、穏やかな性格とマイペースな性格をもっているので、自分のペースでゆっくり生活しているパグが多いのではないかと思われます。

しかし、子犬の時期のパグはとてもやんちゃです。
この時期の怪我は、特に気をつけてあげなければいけません。
顔がぺちゃんこのパグは、遊んでいる最中に顔を怪我する場合が多いです。
ものを噛みながら振り回していて、そのまま壁や物にぶつかり、目を傷つけてしまったという症例が何件か見たことがありました。
このような症例は、短頭種ならではの、怪我の仕方です。
普段は穏やかですが、まれに他の犬とトラブルになり、怪我をして来院してくるパグもいます。

このように、怪我をした場合の応急処置としては、出血がある場合は、すぐにタオルなどで抑えて止血をして下さい。
出血が止まらない場合は、すぐに動物病院へ行きましょう。
また、体を強く打ったり、高いところから落ちたり、事故に巻き込まれたりといった事故などによる怪我も、見た目は大丈夫でも体内で出血が起きたり骨折したりしている可能性もありますので、動物病院へ連れていくことをオススメします。

病気の応急処置は、症状によりますが、パグは、重篤になる危険性の病気が多いので、何らかの症状が出るようであれば、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

パグが下痢をしたとき

下痢は、犬によく見られる症状です。
基本的には、何らかの病気のサインであることが多いですが、環境の変化や精神的なものが原因で、下痢を引き起こすこともあります。
まず、下痢をした時に、数日間で何か変わった事がなかったか(引越した、家族が増えた、トリミングサロンや旅行へ連れていった、フードをかえた、普段与えないものを与えたなど)を確認してみましょう。
心当たりがあれば、様子を見ていても大丈夫ですが、あまりにも続くようなら動物病院へ連れていきましょう。

下痢をした時に、元気や食欲がなかったり、嘔吐があったり、他の症状も一緒にでるようなら、何らかの病気の可能性がありますので、様子を見ずにすぐに動物病院へ連れていくことをオススメします。
その際に、下痢便の色や、どういう状態か、最近何か心当たりがあったか、何回したかという細かな情報を獣医さんに伝えることによって、より診断しやすい場合もありますので、確認しておきましょう。

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