ミニチュア・ダックスフント飼い方・性格を動物看護士が解説します!

ミニチュア・ダックス

最近では、下半身麻痺になってしまったミニチュア・ダックスフント用に、車椅子などのグッズなども販売されています。

ミニチュア・ダックスフントがなりやすい病気② 会陰ヘルニア

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会陰とは、肛門の回りのことです。
この会陰部の筋肉に隙間や穴があいて、そこから腸や脂肪、膀胱などのお腹の中の臓器が、外に飛び出してしまう状態を会陰ヘルニアといいます。

会陰ヘルニアは会陰部の筋肉が、弱ってしまうことによって発症することや、男性ホルモンが関係しているといわれていますが、完全な原因はよく分かっていません。
5歳以上のオス犬が発症しやすいです。

症状は、お腹の中の臓器が外に出てしまうため、肛門の回りが膨らみます。
会陰部の穴に、腸が出てしまっている場合は、便が出にくくなったり、便をする時に痛みがでたりします。
会陰ヘルニアの多くは腸が外に飛び出る場合がほとんどですが、まれに膀胱が出てしまう場合は、おしっこがでにくくなったりします。

治療法は、穴を閉じる手術がメインです。

オス犬は、去勢手術をすることで発生率を下げることができます。

動物病院へくる会陰ヘルニアのミニチュア・ダックスフントは、便が出にくい子が多いので、定期的に便をだす処置をしに来ます。
高齢で会陰ヘルニアになってしまう子は、麻酔をかけての手術が難しい場合もありますので、かかりつけの獣医に相談しましょう。

ミニチュア・ダックスフントがなりやすい病気③ 副腎皮質機能亢進症

副腎皮質機能亢進症とは、別名クッシング症候群とも呼ばれる副腎皮質から分泌されるホルモンが過剰分泌されることによって、様々な疾患が起こります

脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰分泌が原因となったり、副腎に腫瘍ができていることが原因となったり、ステロイドを長期的に投与している事が原因となったりすることもあります。

6歳超えたくらいから発症することが多いです。
この病気自体の性差はあまりありませんが、副腎の腫瘍が出来やすいのはオス犬の方が多いとされています。

ミニチュア・ダックスフントの場合は、脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの過剰分泌が原因の場合が多いとされています。

症状は、多飲多尿、食欲が増える、皮膚が薄くなり、弾力性もなくなり、左右対称に痒みを伴わない脱毛や皮膚の色素沈着、肥満や腹部膨満、筋肉が弱るなど様々です。
また、糖尿病が併発しやすくなります。

基本的には、内服で治療、経過観察をすることがほとんどです。

動物病院にくるクッシング症候群のミニチュア・ダックスフントはやっぱり多いです。
検査をしないと明確には分かりませんが、見た目が特徴的になる病気なので、見た目から分かる場合もあります。
しかしこの病気は、一般的ではないので、知識がなければそのまま様子を見てしまう飼い主も多いのが現状です。

最近、よく食べるようになってきて太ってきたというような場合や、毛が薄くなってきたというような場合でも、年齢のせいだろうとそのままになってしまい、病気がだんだんと進行してしまいます。

クッシング症候群になったからといってすぐには命に関わることは少ないですが、早期発見が大切になります。
いつもよりよく食べて、たくさん水を飲み、たくさんおしっこをしているという場合や、脱毛が目立つという場合など、いつもと様子が違っていたり、見た目が変わったりしたら、動物病院で相談してみましょう。

ミニチュア・ダックスフントがなりやすい病④ 歯周病

歯周病は、人間だけではなく犬にも多くある病気です。
犬が歯周病になってしまう原因は、歯石や歯垢がたまることがほとんどです。
歯を磨くことが出来なければ、歯周病になってしまう確率も高くなります。

歯周病が進行すると、口臭がひどくなります。
口をあけてパンティングをするので、口臭には気付きやすいとおもいます。

また、歯を痛がるようになり口元を気にして、前足で口元をこすったりするようになります。
食べ物も噛みづらくなり、食べるのが下手になったり、食欲が落ちたりします。

さらに進行すると歯茎も痩せてきたり、炎症がおこり、膿がたまったりして、口や鼻から出血するようになります。
鼻水やくしゃみの原因にもなります。
これがさらに悪化すると、目の下あたりの頬の部分や歯茎がパンパンに腫れたり、破裂してしまい穴があいて出血したり膿が出てきたりします。

歯周病は、放っておくと菌血症といって菌が全身に回ってしまいます
全身の臓器や循環器の働きに影響をもたらす場合があります。

根本的な治療をするには、麻酔をかけて歯石除去の処置をしたり、悪い歯を抜歯したりしなければいけません。

ミニチュア・ダックスフントがなりやすい病気⑤ 外耳炎

垂れ耳のミニチュア・ダックスフントは、外耳炎になりやすいです。
外耳炎は、耳の入口の外耳口から鼓膜までの外耳道に炎症が起ります。
外耳道は、皮膚の中でも高温多湿になりやすい場所で、風通しがいい立ち耳の犬種とは違い、垂れ耳のダックスフントの外耳道は余計にジメジメしやすくなります。
高温多湿を好むマラセチアや細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
また、耳掃除をしすぎたり、やり方を失敗したりすると外耳道に傷ができてしまい、そこから炎症が起きる場合もあります。
さらに、シャンプーをしていて、耳の中に水が入ったまま充分に乾いていないと、菌が繁殖して、外耳炎の原因にもなります。

症状は、痒がってよく耳をかいたり、頭を振ったりします。
また、耳垢や膿がたまり、臭いがきつくなります。
悪化すると痛みもでてくるようになり、耳を触ると怒る場合もあります。

動物病院で掃除をしてもらい、点耳薬をさしてあげることが主な治療法です。

定期的に掃除をしてあげることが予防や早期発見につながります。

ミニチュア・ダックスフントがけがや病気をしたときの応急処置

陽気で明るく、遊び好きなミニチュア・ダックスフントはいつけがや病気になってしまうか分かりません。
もし、けがや病気をした時に、落ち着いて応急処置ができるように、救急箱の準備や心の準備をしていることが大切です。

救急箱の中は、人間の救急箱に入っているようなものを入れておくと良いでしょう。
また、かかりつけの動物病院の連絡先や、動物病院が休診時間中に対応してくれる動物病院の連絡先も控えておいたほうがいいです。

傷の出血は、清潔なガーゼやタオルで圧迫します。
浅い傷であれば、すぐに止まります。
出血が多い場合や止まらない場合は、圧迫しながらすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

やけどを負った場合は、すぐに患部を冷やします。
皮膚のただれや、広範囲のやけどの場合などは、冷やしながら動物病院へ連れて行きましょう。

ミニチュア・ダックスフントは、椎間板ヘルニアが多い犬種です。
椎間板ヘルニアになった場合、触ると痛がり中には叫ぶ子もいます。
普通に生活していても、急に元気が無くなって動きたがらなくなります。
そのような場合は、あまり無理に動かさないようにします。
そして、柔らかいベッドの上で休ませましょう。
動物病院へすぐに連れて行ったほうがいいですが、連れて行く際もあまり動かすととても痛がるので、全体を包み込むように抱っこしてあげなければいけません。
脇を持って脚がぶら下がるような抱っこの仕方は悪化しますし、とても激痛ですので、絶対にしないようにしてください。

他にも様々なけがや病気などがありますが、飼い主がパニックにならず、落ち着いてどうしたらいいのか分からなければ、行きつけの動物病院に連絡し、相談しましょう。
緊急事態の場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

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ミニチュア・ダックスフントが下痢をしたとき

犬は、よく下痢をする動物です。
家で様子を見ていても大丈夫な場合の下痢と、すぐに動物病院へ連れて行った方がいい場合の下痢があります。

様子を見ていても大丈夫な場合の下痢は、症状は下痢のみで他の症状が出ていない場合です。
これは、一過性の場合が多いです。
しかし、様子を見ていても良くならない場合は他の症状が出ていなくても動物病院で診てもらいましょう。

すぐに動物病院へ連れて行った方がいい場合の下痢は、元気や食欲がなかったり、嘔吐をしていたり、下痢の中に血が混じっていたり、便の回数が多くなったりしている場合など、他の症状がでている時です。

下痢は、様々な原因で起こるもので、中には様子を見ていると手遅れになってしまう病気になっている危険性もあります。
逆にすぐに動物病院へ来て検査をしたけれど何ともなく、一過性の下痢で様子を見てもらうような場合も多いです。
しかし、様子を見すぎて悪化させるより、そのくらいのほうが早期発見にも繋がりますので、心配であればすぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。

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