プードルにはいくつかの種類ありますが、日本で飼われている98%がトイプードルです。ぬいぐるみのように可愛いトイプードルの基本情報や歴史、性格や特徴、しつけやお手入れの方法などについてご紹介していきます。
プードルの基本情報
現在、プードルとしてJKC(ジャパンケンネルクラブ)に正式に公認されているのは、下記の4種です。それぞれの規定されたサイズや現在の登録状況などを見てみましょう。
スタンダードプードル
すべてのプードルの原型です。体長45~60cm・体重16~25kgの大型犬です。
あの胸と足首だけに毛を残した独特なカット(コンチネンタル・クリップ)の優雅な姿を知らない人はいないのではないでしょうか。
最近ではあまり見かけなくなり、日本では現在プードル全体の1%、726頭しか登録されていません。
ミディアムプードル
体長28~38cm・体重6~7kg。JKC(ジャパンケンネルクラブ)では2003年に正式に登録されました。イギリスやアメリカではまだ登録されていないようです。
日本でもプードル全体の0.3%、183頭しか登録されていない珍しい種類のプードルです。
ミニチュアプードル
体長28~38cm・体重6~7kg。スタンダードプードルについで古くからいる種類です。16世紀ごろスタンダードプードルから小型に改良され、愛玩犬として飼われていたといわれています。
日本ではプードル全体の0.2%、159頭という最も少ない登録数です。
トイプードル
体長24~28cm・体重3~4kg。日本で一番多く飼われているのがこのトイプードルです。
なんとプードル全体の98%(76,393頭)にもなります。犬種別登録ランキングでも他の犬種を抜いて1位になるほど人気があります。
そのため利益目的の悪質なブリーダーの、安易な繁殖による疾病のある仔犬や繁殖犬の使い捨てなどさまざまな問題も出てきています。
※参考資料 JKC(ジャパンケンネルクラブ)犬種別犬籍登録頭数(2016年1~12月)
タイニープードルとティーカッププードルは商品名?
この他にもトイプードルより小さいタイニープードル(体長23cm前後・体重2~3kg)ティーカッププードル(体長20cm前後、体重2kg以下)といわれるプードルも売られていますが、JKC(ジャパンケンネルクラブ)では正式に公認されていません。
タイニーもティーカップもより小さいプードルという意味の商品名です。手のひらに乗るほどの小さなプードルが可愛いと高値で売買されていますが、純粋犬種の健全な育成からはあまり望ましいものではないとされています。
トイプードルだといわれて飼ったのに・・・
JKCでトイプードルの大きさは体長28cm以下と規定されています。
ペットショップでトイプードルだといわれて買ったのに、成犬になるとミニチュアやミディアムくらいの大きさになったということはよくあります。
純血種はブリーダーが申請するとJKC等が血統書を発行します。
トイプードルの人気が高いので、トイプードルより大きくなるかもしれない仔犬でも、親犬が少し大きめサイズの仔犬でも、ブリーダーはトイプードルとして申請をするのが一般的になっています。
また、トイプードルはスタンダードから小型に改良された種類ですから、生まれてくる仔犬が親のサイズと同じになるという保証はどこにもありません。
小さいプードルが欲しかったのに・・というトラブルを避けるためにも、売る側は大きくなるかも知れない可能性をしっかり伝え、また買う側もそれをよく理解してから飼う必要があります。
プードルの歴史
今日本で主流のトイプードルはどのようにして生まれたのでしょうか。トイプードルを知るために原種であるプードルの歴史からみてみましょう。
プードルの祖先犬はバーベット?
プードルの祖先である犬については、ローマや中央アジアなどさまざまな存在説がありますがはっきりとした発祥地はわかっていません。
その中でもプードルという名前から、ドイツ原産犬の「バーベット」ではないかという説が一番有力です。
プードルは泳ぎが得意なため、射止めた水鳥を陸に運ばせるための水猟犬として飼われていました。プードルの最大の特徴である、胸と足首にのみ被毛を残して刈り込む独特なカットは、水中の動きを妨げず冷たい水から心臓と関節を守るために考えられたものです。
プードルが水猟犬であることと、プードルという名前の語源が、ドイツ語の “水がはねる” “水たまり” という意味のプーデルからきているのではないかという説に合致することが根拠だとされています。
小型のプードルはフランスで生まれた
16世紀ごろのフランスで、機能的な目的のカットからお洒落を目的としたカットへと変化したプードルがFrench poodleと呼ばれ、愛玩犬として貴族の中で人気となっていきました。
プードルはさらに優雅なカットへと変化し、より小型犬へと改良されミニチュアプードルが生まれます。その後、トイプールが生まれたのは18世紀、ルイ16世のころだといわれています。
19世紀のナポレオン時代には、トイプードルは小さな抱き犬としてフランスの貴婦人達に愛されていました。
プードルはただの愛玩犬じゃない!その能力の高さがすごい
プードルは全てのプードルにおいて賢く訓練性に優れた犬種です。その頭の良さを生かして、水猟犬の他にもさまざまな使役犬として人間の役に立ってきました。
優れた嗅覚は黒いダイアといわれるトリュフを見つけるための探索犬として、また訓練性の高さから大型犬であるスタンダードプードルは軍用犬にも使われました。
指示判断能力の高いトイプードルはサーカスの曲芸や介助犬としても活躍しています。
プードルは見た目の可愛さだけではない、優れた能力を持った犬種なのです。
トイプードルの特徴(毛色・毛の長さなど身体的特徴について)
トイプードルはくるくるした巻き毛をしています。シングルコートで抜け毛の少ない被毛ですが、全く抜けないわけではありません。
巻き毛のため抜け毛が絡まりやすく、ブラッシングを怠ると毛玉になります。
毛色はソリッドカラー(単色)で、さまざまな毛色があります。JKCで公認されている毛色には、ホワイト・ブラック・ブラウン・ブルーグレー・シルバーグレー・クリーム・カフェオレ・レッド・アプリコット・ベージュ・シャンパンと多種あります。
基本となる毛色はホワイト・ブラック・ブラウンで、その他の色はこの3色の濃淡によって決まります。
子犬のころと成犬になってからでは毛色が少し違ってきます。
一般的に成犬になるにつれて毛色が薄くなってくるといわれています。
トイプードルは毛色によって売買価格が違うので、毛色の変化がトラブルになることがあります。
特に濃いレッドは人気があり高額で売られています。濃いレッドだったから高い値段で買ったのに、成犬になったらアプリコットのようになってしまった、という苦情が多々あるようです。
売る側は成長とともに毛色が変わることをはっきりと説明する必要があります。また、買う側もそのことを理解して、毛色だけで仔犬の善し悪しを決めないことが大切ではないでしょうか。
トイプードルの価格相場
トイプードルの平均価格相場は基本的に20万~30万といわれています。
トイプードルは人気ランキングでも通年連続1位を誇る人気犬種であるため、他の犬種より高い価格で売買されることが多いようです。
但し、トイプードルは個体の性別・毛色毛並み・体格・血統などによって価格に大きな差が出る犬種です。
それぞれの違いによる価格の変動についてお話します。
トイプードルの性別による価格相場の違い
一般的に犬の場合はメスの方がオスよりも3万~10万高く売買されます。
メスはブリーダーが次の繁殖のために手元から離さないことが多く、販売数が少ないため価格相場が高くなります。
また、オスに比べて体格が小さい、マーキングが少ない、性格が穏やかなどの理由でメスの需要が高いこともひとつの要因になっています。
トイプードルの毛色・毛並みによる価格相場の違い
トイプードルには多くの毛色があり、人気の毛色には高値がつけられます。
特に人気のレッド・アプリコット・ブラウンの相場は25万以上で他の毛色より5万円程度高くなっています。
トイプードルはソリッドカラー・単色でなければならないとされており、体の一部や数箇所に違う毛色が入っているものをミスカラーといいます。
ミスカラーはJKCでは公認されていないため、相場価格は安くなりますが、珍しい毛色の場合は反対に高値がつくこともあります。
毛質は固めで毛量が多いほど良いとされているため2万~5万程度高くなるようです。
トイプードルの体格による価格相場の違い
最近ではタイニープードルやティーカッププードルなどの極小プードルに人気があり、価格相場もトイプードルよりタイニーで5万、ティーカップになると10万以上高くなります。
トイプードルの容姿による価格相場の違い
トイプードルの容姿については、その時々の人気度で相場価格が違ってきます。
最近ではマズルが短く丸顔でクリクリした大きな目の仔犬が高値になっているようです。
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