【獣医師が解説!】犬の口腔内腫瘍の種類、なりやすい犬種や治療方法について

メラノーマでは、この骨浸潤も多く、57%の確率でおこってくるとされています。

犬の口腔内腫瘍 メラノーマ(黒色腫)腫瘍の治療について

外科的に切除可能な部位であった場合、広範囲な外科的切除がおこなわれます。
また、放射線療法も単独、あるいは外科と併用で選択されます。
(以下に各々の反応率、局所再発率、生存期間中央値、1年生存率について記載します。
)その他化学療法や、また近年では分子的アプローチ、特に免疫調節療法が注目されています。

 

犬のメラノーマ(黒色腫)外科治療について

  • 反応性:中等度〜良好
  • 局所再発:0〜59%
  • 生存期間中央値(*):5〜17ヶ月
  • 一年生存率:21〜35%
  • (*)生存期間中央値は、患者の半分が再燃(腫瘍が再発すること)、あるいは死亡し、半分が寛解状態(腫瘍が全く認められない状態)で生存している地点です。

 

メラノーマ(黒色腫)放射線治療について

 

犬の口腔内腫瘍 メラノーマ(黒色腫)腫瘍の予後について

  • 反応性:良好
  • 局所再発:11〜27%
  • 生存期間中央値:4〜12ヶ月
  • 一年生存率:36〜71%

生存期間中央値は36ヶ月以内とされていて、特に遠隔転移が認められる場合は予後は悪く、生存率は3〜6ヶ月程度です。

 

犬の口腔内腫瘍で2番目の発生率 扁平上皮癌

扁平上皮癌は、中型〜大型品種の老齢犬でよく発生する傾向にあります。
この腫瘍は、犬の口腔内腫瘍で2番目に発生率が高く、口腔内腫瘍の中でも17〜25%を占めるとされています。

扁平上皮癌になりやすい犬の平均年齢

8〜10歳

扁平上皮癌になりやすい犬の部位

歯肉、口唇、扁桃、舌

犬の扁平上皮癌 転移について

口腔内の扁平上皮癌は、領域リンパ節(腫瘍が発生している部位に近いリンパ節)や肺への転移はまれで、20%ほどとされています。
転移率は、発生部位に依存していて、吻側(顎の手前側)では低く、尾側の舌もしくは扁桃では高い転移率を示します。
扁桃の扁平上皮癌は特に挙動が悪く、転移率も高く、73%にも及ぶといわれています。

犬の扁平上皮癌 肉眼的所見について

どのように見えるかというと、赤色で、もりもりとカリフラワーのように見えることが多く、もろく出血しやすく、潰瘍をおこしていることもあります。

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