獣医師が解説する犬の白内障  〜原因、診断、治療法について〜

具体的にはどんな検査をするのでしょうか?

スリットランプ検査

犬の水晶体の検査に不可欠です

検査を行う前に散瞳剤を点眼し、20分ほどおいて犬の瞳孔が開ききってから検査が実施されます。

この検査では、白内障治療に関わる前眼部から硝子体と呼ばれる部位まで様々な情報が得られます。

具体的には、前房深度、水晶体の位置(チン小帯断裂、脱臼)、水晶体の混濁部位(前・後嚢、前・後嚢下、核、周辺部)などを診ていきます。
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白内障が非常に進行性で、その他の症状として多飲多尿(水をがぼがぼ飲んで、大量におしっこをする)などの症状がある場合は、糖尿病性白内障の疑いが高いため、目の検査の他に、尿検査血液生化学検査を行います。

また、白内障の外科手術を選択した場合は、眼圧検査、偶角検査、網膜電位図(ERG)検査、眼内の超音波検査、さらに涙液量を含めた角膜表面の評価など多々なる検査が実施されます。

 

犬の白内障はどのように治療されるの?

犬の白内障は、病期によって、内科的治療または外科的治療が選択されます。

また、基礎疾患がある場合はそちらの治療を先に先行させていきます。

(例: 糖尿病性白内障→糖尿病の治療をまず行う。

 

犬の白内障 内科的治療

犬の白内障の内科的治療は、初期白内障および未熟白内障で視覚が残存する場合に適応されますが、この治療はすでに存在している水晶体の混濁を透明化させることはほとんどなく、進行を遅らせるにすぎないとされています。

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