人間が衣替えを行う頃、犬たちも毛量や毛質を変化させて衣替えをします。
この犬の衣替えの時期を「換毛期」と言います。
春の換毛期は、冬毛が抜け落ちて密度の少ない夏毛が生え、秋の換毛期には夏毛が抜けてふわふわとした保温性の高い冬毛が生えます。
季節ごとの気温や湿度の変化に対応するために必要なこととはいえ、その時期の抜け毛の多さに、頭を抱える方は多いはず。
犬たちも人間も、少しでも快適に過ごすための方法についてご紹介します。
換毛期とは
換毛とは毛が生え替わることで、犬は換毛期になると、1か月ほどかけて古い毛が大量に抜け、新しい毛に生え替わります。
それを「換毛期」と呼びます。
犬の換毛期は春から7月頃にかけてと、秋から11月頃にかけての年に2回です。
ただ、この換毛期があるのは、オーバーコート（上毛）とアンダーコート（下毛）を持つ「ダブルコート」の犬種です。
この2種類の被毛のうち、アンダーコートが春と秋に生え替わります。
換毛期がある犬種（ダブルコート）
換毛期のあるダブルコートの犬種のうち、代表的な犬種は、
ゴールデンレトリーバー、シェトランドシープドッグ、スピッツ、ポメラニアン、チワワ、ダックスフント、キャバリア、ボーダーコリー、柴犬、秋田犬、ウェルシュコーギー、シベリアンハスキー、ラブラドールレトリーバー、フレンチブルドッグ、ジャーマンシェパード、ジャックラッセルテリアなどです。
換毛期がない犬種（シングルコート）
明確な換毛期がないシングルコートの犬種のうち、代表的な犬種は、
プードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パピヨン、アフガンハウンド、グレーハウンド、ミニチュアピンシャー、グレート・デーンなどです。
オーバーコートだけを持つシングルコートの犬種には、「何月ごろに抜ける」というような明確な換毛期はありません。
その代わり、1年を通して徐々に毛が生え替わります。
基本的にダブルコートを持つ犬種はトリミングが必要ありませんが、シングルコートの犬種によっては、定期的なトリミングが必要になります。
犬種によっては、ダブルコートとシングルコートと両方あり、個体によって異なる場合もあります。
また、同じダブルコートの犬種でもシュナウザー系の犬種は換毛がないといわれています。
換毛期じゃないのに抜け毛？
ダブルコートの犬種で、時期がはずれて真冬や真夏に入ってから換毛が始まる犬がいます。
その理由は、「気温の変化を感じにくい生活」と「日照時間不足」です。
気温が一定に保たれた室内で飼われ、季節による温度変化を感じにくい生活をさせていると、あまり毛が抜けず換毛があいまいに終わったり、換毛をしないこともあります。
換毛をしないと暑い季節に冬毛が残ってしまったり、寒い季節に冬毛が生えず、体温調整が難しくなることがあります。
適切な時期に換毛を迎えるためには、毎日散歩に連れていくなど、積極的に外気にふれさせることが大切です。
しかし、換毛期ではないのに不自然に抜け毛が多い場合は、別の理由がある場合もあります。
注意したい不自然な抜け毛の原因をご紹介いたします。
ダニ、シラミ、ノミなどの寄生虫の侵入
寄生虫が侵入すると、犬はとても皮膚を痒がるようになります。
尋常ではない痒みで皮膚を掻きむしり、結果脱毛を起こしてしまいます。
