意外と知らない犬の血統書について解説します

①犬名

犬の名前と犬舎名からなっており、ブリーダーがつけた名前です。

②本犬データ

犬種名や性別・毛色・生年月日といった基本情報から、DNA登録番号や遺伝的な病気の確認ができます。
遺伝性な病気として、「股関節形成不全症」「肘関節異形成症」があります。
関節疾患を持つ犬の場合は、通常の犬よりも関節を傷めないような生活を心掛けなくてはなりません。
それぞれの評価が数値や英字で書かれているので、詳しくはブリーダーさんに確認することをおすすめします。

③④血統図

③では父犬、④では母犬の血統図が記されていて、3世代前までの情報が確認できます。

⑤登緑日、出産頭数、登録頭数、一胎子登録番号

登緑日とは本犬がJKCに登録された日で、一緒に生まれた兄弟数を性別ごとに確認することができます。

⑥チャンピオン賞歴

 

⑦DATE ISSUED

DATE ISSUEDとは血統証明書の発行日です。

⑧コールネーム(呼び名)登録申請

繁殖者が命名する血統証明書の犬名とは別に、コールネーム(呼び名)を血統証明書に記載することができます。
複数の愛犬を所有されている場合に登録することで、血統証明書の取り間違いを防ぐことができます。

⑨ 4代祖血統証明書発行申込書

3代前の祖先までを記載した血統証明書を発行していますが(3代祖血統証明書)、さらに詳細な血統管理のために、4代祖血統証明書を発行しています。
希望者は申込書に必要事項を記入の上、JKC本部ではなく、所属愛犬クラブへ提出します。

犬の血統書の申請

血統書の発行

血統証明書の登録申請は、クラブ会員である繁殖者ブリーダーとJKCとの信頼関係に基づいて行われています。
子犬の血統証明書が発行される手続きは、まず繁殖者(=母犬の所有者)が所属クラブを通じてJKC本会に申請し、JKCでは申請内容を厳重に審査したうえで、犬籍原簿に登録し血統証明書が発行されます。
登録費用は、生後90日以内かどうかで変わり、90日以内の場合は2200円で、91日以降は5600円です。
なお生後2年を超えると登録はできません。
申請から血統書が発送されるまでの期間は15日が目安となっています。

血統書の名義変更

血統書が発行された時には、通常その犬の所有者は飼い主ではなく繁殖者が登録されています。
血統書の所有者は所有権を証明するものではありませんので、名義変更をしなくても飼い主の家族であることに変わりはありませんが、所有者を飼い主に変更したい場合には、名義変更の申請が必要となります。

◆必要なもの

  • クラブ入会申込書
  • 血統証明書(裏面の「所有者名義変更届」に記入したもの)
  • 登録料金:入会金 2,000円/年会費 4,000円/名義変更手数料1,200円

変更料は、発行日からどれだけの期間がたったかで異なり、6カ月以内であれば1200円ですが、6カ月以上だと3400円になります。

◆申請方法

血統証明書の裏面「所有者名義変更届」の欄に必要事項を記入捺印の上、各地にあるジャパンケネルクラブ(JKC)事務所に直接出向くか、郵送での手続きとなります。
本部に書類が届いてからおよそ3週間程度で完了し、その後、名義変更された新しい血統書が手元に届きます。

犬の血統書は必要?

これまで紹介した通り、犬の血統書は優れた犬質の維持向上や健全な繁殖を行うための資料です。
そのため、一般の飼い主にとっては、必ず必要というわけではありません。
それでは、血統書があることでのメリットと無いことでのデメリットについて見ていきましょう。

血統書があるメリット

  • 特定の犬種以外の血が混じっていないことの証明となる:成犬時の容姿が想像しやすくなります。※保証されたものでもありません
  • ドッグショーやアジリティー競技会などに参加できる:ドッグショーや訓練・アジリティー競技会では、犬種ごとに部門が分かれていることや血統書があることを参加条件にしていたりします。
  • 愛犬の記録として残せる:繁殖者情報や愛犬の誕生日やルーツが記された物として役立ちます。

血統書がないことでのデメリット

  • 想像していた犬種と異なる容姿を持つ可能性がある:血統に別の血統の血が混じっているかどうか確認する術がなくなります。
  • ドッグショーや競技会に参加できなくなる

まとめ

ご紹介してきた通り犬の「血統書」は本来、その犬の価値を決めるものではありません。
しかし、血統書があることで子犬の販売価格も上がることも多く、価値があるものだと思われているようです。
犬種の繁殖やドッグショーを目指すなら必須となりますが、一般的に飼う事だけが目的なら、血統書がない事のデメリットはほとんどないようです。