犬は換毛期になると、1か月ほどかけて古い被毛が大量に抜け、新しい毛に生え替わります。
早い犬だと、春の換毛期は3月頃から始まります。
換毛期は、犬にとって全身の被毛が抜け変わるという生理現象が起き、体にもいろいろな変化が起こりやすい時期です。
特に、皮膚のトラブルを起こしやすく、上手に抜け落ちない古い被毛は皮膚への通気性を悪くさせ、皮膚トラブルの原因になったりします。
生活環境の変化
春は進学や就職、転勤時期と、生活環境が変わりやすい季節です。
犬は感受性が大変強く、大好きな家族が1人でも家からいなくなるとショックで体調不振になったり、元気がなくなったりします。
また家族みんなで新しい土地に引っ越す場合も同様、今まで住んでいたところと全く違う景色と匂いに対応しきれず、ストレスを抱えることもあります。
症状として多いのは、食欲不振や下痢、皮膚炎、いたずらなどの問題行動があります。
体調の変化への対策
愛犬に見られる春の体調不良は、私たち飼い主を不安にさせます。
病気でもない春の体調不良は、薬に頼るのではなく、愛犬が安心してリラックスできる環境を与え、適切なケアをしてあげることが大切になります。
まず、それぞれの対策を具体的にみていきましょう。
食欲不振のときの対策
愛犬がご飯を食べないと、栄養不足になるのではと心配になります。
そして、栄養価の高い食べ物、愛犬の好物などを用意し、何とか食欲を取り戻そうと行動しがちではないでしょうか。
しかし、このような食べたがらない行動は、愛犬自身が自ら食べる量を減らすことで、体のリズムを自然に整えようとしているサインでもあります。
無理に嗜好性の高い食べ物で食事をさせなくても、静かに見守ってあげさえすれば、自然と今まで通りにドッグフードを食べる状態に戻ります。
また良かれと思い、高カロリーなものを与えることにより、内臓に負担をかけてしまい、体を休めるのに時間がかかってしまう可能性もあるので注意してください。
ただ、1日の食事量の半分も食べない状態が1週間以上続くなど、極端な食欲不振の場合、季節的な体調不良ではなく、病気の可能性もあるので、そういう場合は獣医さんに診てもらうようにしましょう。
遊びたがらないときの対策
愛犬が冬時期と違い、暖かくなるとともに寝てばかりいる…
大好きだったお友達の犬とも遊びたがらないし、遊びに誘ってもなんかノリが悪いということが続くと、飼い主としてはなんとかしなければ!と思いますよね。
勢いをつけてあげればげんきになるかも!と、ドッグランやお友達の犬に会わせたりしたくなるところですが…
愛犬にその気がないときは、気の向くままに過ごさせてあげましょう。
人も同じで、人と会いたくないときに無理やり会わせられると、うんざりしますよね?
無理に愛犬を連れ出してのレジャーは控え、愛犬の気が済むだけゴロゴロさせて休ませてあげるのが、体調回復の早道になります。