春といえばぽかぽか陽気で、愛犬が熱中症になる心配はないように思えますが、実は、春の熱中症は意外と多いのです。
ゴールデンウィーク前後から、熱中症で動物病院に運び込まれる犬が急増します。
真夏のような気温ではないのになぜ!?と疑問が湧きますよね。
今回はそんな、気をつけたい愛犬の熱中症の原因と予防法を解説いたします。
みなさんの愛犬を守る対策の参考になさってください。
なぜ春に熱中症?
春に犬が熱中症になってしまうには3つ原因があると考えられます。
犬は熱が体にこもりやすい
人間は全身に汗腺があり、気温に合わせて汗をかくことで熱を体外に放出し、体温を調整できます。
一方、犬の汗腺は肉球部分にのみあり、肉球に汗をかいても体温調整するほどではありません。犬は主に、口でハァハァ息を吸うことで体の熱を放出します。
そのため私たちにとっては、さほど暑いと感じない気温でも体に熱がこもりやすく、熱中症になってしまう場合があるのです。
春先はまだ犬の体が暑さに慣れていない
ダブルコートの犬に多いケースです。
寒い時期には寒さから体を守るよう、下毛(アンダーコート)が冬仕様になっています。
春になるとともに換毛期を迎え、今度は暑さに対応した被毛に変え変わるのですが、暑い時期に向けて被毛が生え変わる「換毛期」が済んでいない状態だと、冬用の下毛(アンダーコート)があるせいで、犬の体には熱さが体にこもり、熱中症になることがあります。
熱中症の発症リスクは湿度が高いと上がる
熱中症は、気温だけが関係しているわけではありません。
湿度も十分関係していて、気温が20~25度、湿度が40%を超えると熱中症になりやすいといわれています。
春の天気は変わりやすく、急に湿度が上がる日などがあるので注意が必要です。
犬の熱中症の症状
犬は体温が上昇すると、体の熱を下げるためにパンティングと呼ばれる「ハァハァ」と激しい口呼吸をするようになります。
そして体の熱を外に放出しようとするのですが、気温や湿度が高かったり、気道に問題があったりすると、うまく体温が下げられません。
体温が高い状態が続くと、様々な臓器の機能に障害が及び、脱水症状に陥ることもあり、大変危険です。
犬の熱中症の症状を把握し、愛犬が重度の熱中症になることを避けなければなりません。
初期症状
- パンティング(ハッハッと激しく口呼吸すること)
- 心拍数が早い
- 身体を触ると熱い
- 口の中や舌の色が赤い
- よだれが多い
- 動きたがらない
- 落ち着きがなくなる
- 水を自分で飲まない
- ご飯を食べない
- ボーッとしてふらふらする
など
犬の体温は小型犬では38.6~39.2℃、大型犬では37.5~38.6℃くらいで、40.5℃を超える場合、高体温状態と考えらます。
42°Cを超えてしまうと、命の危険もあります。
上記のような症状があるかどうかが熱中症を見分ける基準になります。
また、症状が出る前の愛犬がどこでなにをしていたかも確認しましょう。