【動物看護士が解説】実はあまり知らない?犬の歯についての基礎知識

象牙質とは、歯の主要部分で歯髄を覆い、歯冠ではエナメル質に覆われ、歯根部ではセメント質に覆われています。

歯髄とは、歯の神経と血管のことです。
象牙質に覆われた歯髄腔という空洞の中にある組織です。

歯の周りの組織は、歯肉、セメント質、歯根膜、歯槽骨などがあります

歯肉とは、いわゆる歯茎と呼ばれる口腔粘膜のことです。

セメント質は、歯根の表面を覆い、象牙質を保護する役割があります。

歯根膜は、歯を歯槽骨に固定するための組織で、セメント質と歯槽骨の間を結んでいます。

歯槽骨とは歯肉よりも内部にあり、歯を支える組織です。

 

犬の歯基礎知識 生え変わりについて

犬の歯は、まず乳歯から生えます。
この乳歯は、28本で個体差はありますが約生後2ヶ月で生え揃います。
その後生後半年あたりで乳歯から永久歯に生え変わり、生後7ヶ月から1歳になるころには永久歯は生え揃います。

しかし、実際動物病院で働いていて感じる事は、永久歯は生えているけれど、本来抜けなければならない乳歯が残っている犬は結構多いです。
永久歯と乳歯が一緒に生えている状態です。
乳歯がぐらついていれば、少し時間はかかっても自然に抜ける可能性は高いですが、ぐらついていない場合は抜けることなく生涯残ったままということもあります。

この乳歯が残っている状態を「乳歯遺残」といい、後に歯石がつきやすかったり歯周病になりやすかったりなどの歯のトラブルの原因となります。

1歳を超えても抜けないようであれば、麻酔をかけて抜いてもらうというのもひとつの歯周病予防になります。
また、避妊や去勢手術を行う際に、ついでに乳歯抜歯を行う飼い主さんも最近では多いです。

犬の歯基礎知識 歯石について

歯石とは、食べかすなどの歯につく汚れや歯垢や唾液の成分が溜まり、石灰化したものです。
犬は人よりも歯石が簡単に付きやすいです。

この歯石は、歯周病や口臭の原因となります。
そして、加齢とともに歯石が蓄積されます。

一度歯石が歯に蓄積すると、歯磨きをしてもなかなかとれません。
たまに硬いものやデンタルガムを噛んでいるときに、ポロッと取れることはあります。
歯石を綺麗にとる方法は、全身麻酔をかけて歯石を取るためのスケーラーと呼ばれる機械を使って取らなければいけません。

犬の歯の病気 歯周病

犬の歯のトラブルで一番多いものは、歯周病です。
人にも歯周病があるように、犬も歯周病があり高齢犬での悩みの一つになることも多いようです。

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