ポメラニアンの歴史〜ドイツで誕生し、イギリスで愛された犬

ポメラニアン,白

イギリスに持ち込まれて小型化される前のポメラニアンは、ホワイトとブラックのみの毛色でしたが、ヴィクトリア女王の犬舎にはレッドの毛色をした「ウィンザー・マルコ」という名前のポメラニアンがすでに存在したそうです。

1891年以降この「ウィンザー・マルコ」を展覧会に出陳したことによって小型のポメラニアンが人気となり、繁殖家たちがより小型のポメラニアンの作出を目指すきっかけとなったとされています。

ヴィクトリア女王のほかにもポメラニアンを飼育していた当時の王族には、フランス皇帝ナポレオンの王妃ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネや、イギリス王ジョージ4世らがいます。

名前の由来

ポメラニアンという名前は、原型を作ったと考えられているドイツ北部のポメラニア地方に由来しています。
愛称は「ポム」(Pom)。
しかし、ドイツを始めとするヨーロッパの多くの国では、現在でも「小型スピッツ」(ツヴェルク・スピッツ」)と呼ばれているようです。

【ポメラニアンの逸話】タイタニック号にも乗っていたポメラニアン

タイタニック号と言えば、映画の影響もありご存知の方も多い20世紀初頭に建造された客船です。
1912年に沈没したことで知られていますが、実はこのタイタニック号で生き残った犬が3頭いました。
このうちの2頭がポメラニアンだったと言われています。

日本でのポメラニアンの歴史

ポメラニアンはいつ日本へ来たの?

ポメラニアンが日本に来たのは、明治初期と言われています。
大正2年4月に東京都上野公園で開催された、日本初のドッグショーでポメラニアンが登場したそうで、また何と入賞を果たし、その知らせは新聞などで話題となり、一気に日本での知名度を上げました。

それから日本が高度成長期と呼ばれる時代では、小型犬がブームとなり、ポメラニアンを飼う家庭が一気に増えました。

歴史は繰り返す。ポメラニアンブーム

ポメラニアンは常に人気がある犬種ではありますが、ペットの人気にはいつもブームがあります。
その昔、ポメラニアンが人気1位を誇っていた時代もありました。
テレビや雑誌、映画などの影響で、その時代時代で流行する犬種は変わっていきます。

国内では長年トイプードルやチワワが人気トップを維持してはいますが、またポメラニアンも人気を上げつつあります。
そうやって流行は繰り返されますが、その裏側で、一気にその犬種の保護犬が増える現実もあります。

国内の飼育頭数から見るポメラニアンの人気ぶり

ジャパンケネルクラブでは毎年犬種別の登録頭数が発表されています。
これを参考にポメラニアンの人気ぶりを見てみましょう。

1999年・・・17,771頭(8位)
2000年・・・17,062頭(9位)
2001年・・・16,416頭(9位)
2002年・・・15,527頭(10位)
2003年・・・16,929頭(9位)
2004年・・・16,315頭(8位)
2005年・・・17,840頭(8位)
2006年・・・19,663頭(6位)
2007年・・・19,990頭(5位)
2008年・・・20,407頭(4位)
2009年・・・19,140頭(4位)
2010年・・・16,672頭(4位)
2011年・・・15,904頭(4位)
2012年・・・15,937頭(4位)
2013年・・・15,612頭(4位)
2014年・・・15,596頭(4位)
2015年・・・16,836頭(4位)
2016年・・・18,221頭(4位)
2017年・・・18,443頭(4位)
2018年・・・19,148頭(4位)
2019年・・・18,841頭(4位)

この20年の間でも登録頭数が毎年10位以内を維持しつづけ、この10年の間はトップを争うほどの人気ぶりであることが分かりますよね。

小型犬人気が高い国内ではサイズ的にも飼いやすく、ポメラニアンの明るい性格と愛らしい姿で多くの人を魅了しています。

ポメラニアンの柴犬カットで人気の火付け役なったポメラニアンの俊介くんの影響も大きいでしょう。

ポメラニアンの人気カラー

ポメラニアンの毛色は、白、クリーム、黒などをはじめとして20種類以上にものぼり、なかには珍しい薄いベージュ色のビーバーや、ブラウンより薄いチョコレートなど希少価値の高い種類も存在します。
その中でも、国内では定番ともいえるオレンジ系が高い人気を得ています。
他にも、近年ではポメラニアンの元祖ともなるホワイト系、クリーム系が高い人気を得ているようです。

この記事のまとめ

ポメラニアン,茶色
ポメラニアンの歴史〜ドイツで誕生し、イギリスで愛された犬
  • ポメラニアンの祖先犬はサモエド。ソリ犬や牧羊犬として活躍していた。
  • 当時は大型犬サイズだったが小型に改良。
  • 「ジャーマンスピッツ」と呼ばれ、うち「ジャーマンツヴェルクスピッツ」が現在のポメラニアン。
  • 小型化&毛色バリエーションを増やすきっかけとなったのはイギリス・ヴィクトリア女王がきっかけに。
  • 日本へは明治初期に。以来高い人気を維持し続けている。

ポメラニアンの歴史〜ドイツで誕生し、イギリスで愛された犬 さいごに

長い歴史の中、人々に愛されるために小さく可愛く、そして豊富なカラーバリュエーションに改良されて来たポメラニアンです。
人々の無責任さから不幸な道を辿らせないよう、私たちがしっかりとした飼い主にならなければなりませんね。

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