水頭症
この水頭症という病気は、チワワでは先天的にみられることがあり、数週齢〜1歳までには明らかになるといわれています。
特徴的な見た目としては、正常な子犬よりも大きなドーム型の頭の形をしていて、泉門が開いている場合は触ると柔らかい部分があります。
また、目がろんぱってみえることもあります。
病気の定義
水頭症とは、専門的にいうと脳脊髄液量の増加による脳室系の異常拡張を伴う疾患です。
つまり、頭の中の脳脊髄液といわれる水が異常に貯まってしまって、脳室が広がってしまう病気です。
症状
脳脊髄液の貯まり具合により異なりますが、以下のような症状がみられたら注意が必要です。
- 学習能力がない、しつけがなかなか思うようにいかない
- なんだかぼーっとしていることが多い
- いつも寝ている
- 目がみえていないみたい
- 過剰に興奮することがある
- 発作をおこしたことがある
診断
泉門が開いている場合は、麻酔をかけることなく超音波検査で診断可能です。
一般的に確定診断は、MRI検査で脳室系の評価を行います。
治療
水頭症の治療には、内科学的治療と外科的治療があります。
症状の程度により治療方法は選択されますが、内科治療では頭の水をなるべく軽減するべく、ステロイドや利尿剤が使用されることが多いです。
外科的治療としては、頭の水を腹腔に移動させる管を設置するという手技がおこなわれますが、この管が後々つまってしまって、再手術になることも珍しくはありません。
ポイント
チワワをはじめておうちに迎え入れる前に、水頭症でないかどうか、頭の形や目の具合、行動などをよくチェックしましょう!
環軸亜脱臼
この環軸亜脱臼という病気は、チワワで先天的にみられることがあり、一般的に2歳以下で症状が発生することが多いですが、どの年齢でもおこりうるといわれています。
病気の定義
環軸亜脱臼とは、環椎(第1頚椎)と軸椎(第二頸椎)でおこる亜脱臼のことです。
チワワは先天的に、軸椎の歯突起といわれる部分が発育不全であることがあり、これにより環椎と軸椎が不安定な状態になりやすいのです。
症状
症状は、突然おこることもあれば、徐々に発生することもあります。
また、良くなったり悪くなったりを繰り返すこともよくあります。
以下のような症状がみられる時は注意が必要です。
- 頚部痛、首が痛いようで上を向くことができない
- いつものように動きたがらない
- 足がもたつく
- 立てない
- 呼吸がうまくできない
特に、突然立てなくなったり、呼吸の異常がみられた場合は、命にかかわることがありますので、急いで動物病院にかけこみましょう。
診断
頸部のレントゲン検査で、歯突起の形成不全や環軸亜脱臼は診断できます。
ただし、この病気が疑われる場合、とくに症状が重い場合は無理矢理おさえての検査は非常にリスクを伴うため慎重に行う必要があります。
治療
軽度の症状では、内科的治療として抗炎症剤や消炎鎮痛剤などのお薬や、運動制限指示。
また場合によっては、頭から首にかけてのギブス固定することによって環軸接合部が動かないように処置が行われます。
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