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それでも、まだ犬の味覚について究明されていないことも多いようです。
◆甘味
犬が最も敏感に感じることができる味覚が、この「甘味」です。
犬が持つ味蕾細胞で、甘味を感じるための味蕾細胞が最も多いためです。
犬の主食と言えば肉類ですが、肉類に含まれる豊富なアミノ酸も、犬にとっては甘味となって感じます。
また、焼き芋などの甘みのあるものが好きな犬が多いのも、この「甘味」を感じることができるからだと言われています。
◆酸味
甘味の次に、犬が強く感じ取ることができるのが「酸味」です。
「酸味」によって、食べ物が腐敗していないかを感じ取り、食べ物の安全性を判断していると言われています。
◆苦味
犬は苦味の味覚を感じるための味蕾細胞は少なく、ほとんど感じることができませんが、一応備わっています。
苦味は、犬が最も苦手とする味覚で、自然界で苦みのあるものは有毒性があることが多いため、苦味に対し非常に敏感な味覚を発達させたと考えられています。
◆塩味
塩味を感じる味蕾細胞もそれほど発達していないため、塩味をほとんど感じ取ることはできません。
これは、祖先である肉食動物のオオカミの時代には、獲物の血や肉から十分な塩分を摂取することができていたためで、塩分の濃度を感知する必要性がなかったためだと言われています。
犬の味覚と人間の味覚との違い
犬と人間の味覚の違いには、味を感じるための味蕾細胞の数にあります。
犬には約2000個しかない味蕾細胞に対して、人間の場合は、犬の5倍の9000~1万個あると言われています。
さらに、犬の「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」に加えて、人間は「うま味」を認識することができるという違いがあります。
また、人間の味覚は、舌のどの部分でどの味を感じられるかということも分かっており、舌先では甘み、舌の脇の部分で酸味や塩味、さらに舌の奥では苦味を感じるとされています。
これらのことからも、犬の味覚は人間よりも劣ることを意味しており、実際には人間の12倍も弱いと言われています。
犬の食事で注意すること
犬の嗜好性について
犬は人間よりも味覚が衰えていますが、それを補うため優れた嗅覚を持ち合わせています。
そのため、犬は人間ほど味覚を重要とせず、食事の中では最も「香り」を大事にすると言われています。
次に大事なのは、歯や舌ざわり、温度などの「食感」、その次に「見た目」です。
そして、味覚は1番最後です。
つまり、「香り>食感>見た目>味覚」の順番となります。
このことを考慮して普段の食事に気を使ってあげると良いでしょう。
食欲がなくなった犬には
夏バテ気味の犬や、老犬の場合、食欲が落ちてしまうことがあります。
そんな時には、犬の嗜好性「香り>食感>見た目>味覚」で食欲を誘ってあげるよう工夫してみましょう。
例えば、いつものドライフードをお湯でふやかして香りが引き立つようにさせてあげたり、 トッピングやふりかけで食感と見た目を変えてあげると良いでしょう。
甘いものを与え過ぎないこと
犬の感じる味覚では、甘味が最も強いため犬は焼き芋や犬用ケーキなどの甘いものが大好きです。
それでも、どんなに愛犬が喜ぶからと言っても、甘いものを与え過ぎないよう注意しましょう。
甘いものばかり食べさせてしまうと、肥満となり糖尿病など様々な病気を引き起こす原因となってしまいます。
犬の早食いに注意
人は食事の時、食べ物の味を楽しみながらゆっくりと食事をしますが、犬の場合は味わう様子もなく急いで食べますよね。
これは、野生の名残からのもので、群れで生活をする犬にとって、限られた餌を食べられる時により多く食べておこうとする習性からだと考えられています。
またドッグフードは、犬にとってあまり噛まずに飲み込むことができる大きさになっているため、それもまた早食いの理由になっているようです。
しかし、犬の早食いにはデメリットが多く、
- 消化に悪い
- 胃捻転のリスクがあがる
- 歯石が付きやすくなる
- 満腹感を感じにくい
などが挙げられます。
早食い防止グッズを活用したり、食事回数を増やすなどして早食いしないよう注意してあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
人間と比べると犬は味音痴と言えますが、味を感じていないわけではなく、甘いものが好きだということが分かりました。
愛犬に喜んでもらいという気持ちは飼い主なら持って当たり前の気持ちですが、愛犬の健康を本気で考えるのなら栄養バランスも大切にしていきましょう。