犬の目のトラブル 目やにや目の病気の時の症状と治療法

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犬の目とは?

光によって起こる感覚を視覚といい、光を感受するために必要な知覚器官が目です。
視覚器は、眼球と視神経、光受容器は眼球内の網膜です。

目のトラブルにつきものの、特に病気の際に説明されるような、よく出てくる目の器官や役割について説明していきます。

犬の眼球の構造と役割

眼球繊維膜

眼球は、物を見るのに最も大切な器官です。まず、眼球の最外部を覆う幕を眼球繊維膜といいます。眼球繊維膜は、眼球の裏側の方の3/4は強膜と呼ばれ、眼球の表側の方の1/4は角膜と呼ばれます。角膜は、いわゆる眼球の表面部分の見えている部分です。
角膜は良く耳にすると思います。角膜の役割は、眼球を保護するために涙を分泌させたり、角膜反射といい角膜が刺激されることによって目を閉じるという眼瞼反射が起こったりします。

眼球血管膜

眼球繊維膜の内側は、眼球血管膜といい、脈絡膜と毛様体で形成されています。
脈絡膜は、網膜に栄養を運んだり、眼球内部を暗くして散乱光を吸収したりする役割を持っています。脈絡膜の一部には、タペタムという光を網膜に再び反射させて利用するためのものがあります。夜行性の動物に見られる膜で、犬にもあります。フラッシュで写真を撮ったり、車のヘッドライトをあてたりすると犬の目が光って見えるのは、このタペタムが反射しているからです。
毛様体は、水晶体を取り巻く器官で、毛様体小帯やチン小帯と呼ばれる繊維が水晶体と繋がっています。毛様体の前端部分には、虹彩と呼ばれる水晶体を取り囲む膜が形成されています。
虹彩、毛様体、脈絡膜を総称してブドウ膜といいます。
虹彩とは、血管膜の前端部で、角膜の後方にある膜です。目の色素の部分です。瞳孔の開き具合を調節して光の量を加減する役割があります。

通光器官

通光器官とは、その名の通り光を通す器官です。

水晶体は、視覚のピントを調節する役割があります。硝子体は、水晶体の奥にあるいわゆる眼球の中の器官で、無色透明のゼリー様の物質です。眼球の内圧を保持しています。
眼房水は、水晶体と角膜との間を満たす液体で、水晶体や硝子体に栄養を補給したり、眼圧を一定に保ったりする役割があります。

副眼器

副眼器とは、眼球の周りの器官で眼球を保護したり眼球の働きを助けてくれたりしています。副眼器には、眼瞼(まぶた)、結膜、第三眼瞼(瞬膜)などがあります。
眼瞼(まぶた)は、眼球の保護と光の刺激の遮断を行う役割があります。

結膜は、まぶたと眼球を結ぶまぶたの裏側の膜で、眼瞼運動(まぶたの動き)を円滑にする役割があります。