獣医師が解説する犬の口腔内腫瘍 症状や治療について

犬の口腔内腫瘍とは

口腔内腫瘍とは、読んで字のごとく、口の中にできる腫瘍のことを指します。

口腔内腫瘍は、犬にとっては稀な腫瘍ではなく、発生頻度の高い腫瘍になります。

口腔内腫瘍には良性と悪性があり、共によく発生しますが、比較的に悪性度が高い傾向にあります。

良性腫瘍は、大きくなるにしてもそのスピードはゆるやかです。

大きくならないもの多く、転移もしないので命に関わることはほとんどありません。

一方、悪性腫瘍は、大きくなるスピードが早く、転移もするため、命にかかわる可能性があります。

口腔内腫瘍には多種ありますが、発生率はメラノーマ(黒色腫、悪性黒色腫)、扁平上皮癌、繊維肉腫、棘細胞性エナメル上皮腫の順となります。

口腔内腫瘍の特徴としては、口腔内に、しこりなどのできものができますが、口の中なので飼い主が気付きにくく、発見が遅れることも多いです。

腫瘍が大きくなると、症状である口臭、唾液過多、口腔内出血または鼻からの出血、口腔内・口唇部のしこりや腫れ、食餌が摂りにくいような仕草、食欲がないなどの症状がみられるようになります。

それでは口腔内腫瘍の主要因の上位4つであるメラノーマ(黒色腫、悪性黒色腫)、扁平上皮癌、繊維肉腫、棘細胞性エナメル上皮腫について、順に説明していきます。

犬の口腔内腫瘍で最も発生率が高い~メラノーマ(黒色腫)~

メラノーマ(黒色腫、悪性黒色腫)とは、皮膚癌の一種です。

皮膚癌は、皮膚のどの位置でできるかで大分類されますが、皮膚の最表面にある扁平上皮細胞で発生する皮膚癌を扁平上皮癌、皮膚の最も内部にある線維芽細胞で発生する皮膚癌を線維肉腫、そして、皮膚の中層にあるメラニン細胞で発生する皮膚癌をメラノーマと呼びます。メラニン細胞は、色素(メラニン)を産生し身体の色を作る役割のあるメラノサイトを含む細胞です。

このメラノサイトが癌化したメラニン細胞のことをメラノーマと呼びます。
メラノーマは、他の口腔内悪性腫瘍比べて小型犬でよく発生する傾向にあります。
この腫瘍は、最も発生頻度が高く、口腔内腫瘍の中でも30〜40%を占めるとされています。
気になる症状や治療方法などをご紹介していきます。

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犬の口腔内メラノーマの原因と理由

口腔内メラノーマの原因は不明確な部分も多いですが、口腔内における刺激が主要因とされています。

たとえば、硬い食餌(骨ガムなどのおやつを含む)や硬いおもちゃなどの物理的刺激や、食餌に含まれる添加物による化学的刺激です。

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