ラフコリーはかつて「名犬ラッシー」という映画で一躍有名になった犬種です。最近ではラフコリーによく似た小型のシェルティに注目が集まりあまり見かけなくなりましたが、優雅で気品のある姿を好む愛犬家も多く今でも根強い人気があります。街を歩いているだけで人目を惹くラフコリーのすべてについてご紹介します。
ラフコリーの基本情報
ラフコリーの基本情報① 原産国
スコットランド
ラフコリーの基本情報② サイズ
大型犬
ラフコリーの基本情報③ 体の大きさ
体高56~61cm 体重20~34kg
ラフコリーの基本情報④ 被毛
ダブルコート 長毛
ラフコリーの基本情報⑤ 平均寿命
14~16年
ラフコリーの基本情報⑥ 平均価格
17万円
ラフコリーの歴史
スコットランドで牧羊犬として活躍
スコットランドでは昔から牧羊犬が活躍していましたが、ラフコリーの記録は19世紀頃まではありません。
「コリー」とは古いスコットランド語で「黒い犬」という意味で、ラフコリーだけでなくボーダーコリーにも当てはまります。
ラフコリーとよく似た犬種であるスムースコリーもラフコリーと同じように実用犬として活躍していました。
もともとは全く別の犬種であったラフコリーとスムースコリーですが、交配が重ねられてよく似た容姿を持つようになり、同じ犬種と考えられるようになりました。
ビクトリア女王に可愛がられたコリー
1860年頃、犬好きのビクトリア女王がスコットランドで見かけたコリーを見て大変気に入り、2頭をイギリスに連れ帰りました。
ビクトリア女王が持ち帰ったコリーはスムースコリーだと言われていますが、兄弟種の犬だということでラフコリーの人気も高まってきました。
その後ラフコリーはスムースコリーよりも穏やかなことから、牧羊犬としてではなく上流階級のペットとして愛されるようになりました。
アメリカで爆発的な人気
その後アメリカに渡ったラフコリーは、余裕があるアメリカ人たちの住宅事情にもマッチしたことから、上流階級などの富裕層が飼育を始めました。
しかし、映画やテレビで人気になった一つの物語によって、庶民にも爆発的な人気を得ることになりました。
日本でもラフコリーを広めた「名犬ラッシー」
アメリカでテレビドラマや映画として制作された「名犬ラッシー」はラフコリーのラッシーをストーリーの中心として描いており、ラフコリーが非常に穏やかで賢い犬だということを世界中に広めるにいたりました。
ラッシーによってアメリカで人気犬種となったラフコリーは、日本にも広まっていきました。
日本では住宅事情から、それほど大型犬を飼う人が多くなかったのですが、大型犬と言えばラフコリーというイメージが大きかった時期もありました。
ラフコリーの特徴
均整がとれた体格
ラフコリーの体重はオスが30kg前後、メスが25kg前後、体高はオスが51~56cm、メスが51~56cmで、見た感じも被毛がふさふさでとても立派で、均整がとれた体格をしています。
細長いマズルに先が折れ曲がった半立ちの耳も特徴です。
ラフコリーの毛並み
ダブルコートで長毛です。
胸元はえりまきのようで、尻尾の毛もふさふさとしていています。
手足には飾り毛があります。
ラフコリーの毛色
茶白のホワイト&セーブル、黒白茶のトライカラー、灰白黒茶の大理石模様のブルーマールの三種類が公認されている毛色です。
ラフコリーの価格相場
一度は飼ってみたいと思わせる優雅で品のある大型犬のラフコリー。
ラフコリーの価格相場はどのくらいなのでしょうか。
ラフコリーの価格は毛色によって違う
ラフコリーの価格相場は13万円~20万円です。
ラフコリーの毛色は価格に大きく影響します。
ちなみにJKCで定められているラフコリーの毛色は下記のようになっています。
セーブル
明るいゴールドから濃いマホガニー、あるいはシェ-デッド・セーブルまでの様々な色合い。ライト・ストローもしくはクリームは、非常に好ましくない。
トライカラー
主色はブラックで、脚及び頭部に濃いタンの斑をもつ。上毛に錆色がかったものは非常に好ましくない。
ブルーマール
ブラックが散って混じっているはっきりとしたシルバー・ブルーが主なもの。濃いタンのマーキングが好ましいが、なくともペナルティーは課せられない。大きなブラックの斑、上毛及び下毛がスレート色、及び錆色がかったものはきわめて好ましくない。
ホワイト・マーキング
以上の毛色はすべて、大小を問わず典型的なホワイトのコリーの斑を有する。以下のホワイト・マーキングは好ましい。全体ないし一部のカラー(頸周り)、前 胸、脚や足、尾の先端、ブレーズはマズルあるいはスカル及びその両方にあってもよい。
JKC世界の犬 参照
一般的にラフコリーの毛色はセーブルカラーが多く価格も平均的です。
トライカラーのラフコリーはセーブルやブルーマールと交配させることができるので、希少なカラーを生み出せることから25万以上の高値で売買されるようです。
特にメスのトライカラーは繁殖用としてブリーダーが手放さないため、めったに市場に出回ることがありません。
レアカラーのブルーマールには遺伝的疾患が多い?
ラフコリーの毛色の中でもブルーマールは、特に繁殖率が低く出産も少ないため20万~25万で売買されています。
ブルーマールとはシルバーやブルーにブラックが散っている毛色のことで、目の色も青いことがあります。
特に目が青いブルーマールの場合は視覚障害になりやすいといわれています。
目の色が薄いのは劣勢遺伝である可能性が高く、成長過程でさまざまな障害が現われる恐れがあります。
またブルーマール同士は交配には向いていないので、ブルーマール同士で交配させて生まれた仔犬は、先天的障害を持っていることが多く死亡率も高くなります。
両親がブルーマールの仔犬はダブルマールと呼ばれており、非常に希少なラフコリーですが、遺伝的な問題があるので買うのは避けるほうがいいでしょう。
ラフコリーを迎えるときは、親犬がどんな種類の毛色だったのかを確認する必要があります。
しっかりとしたブリーダーの場合は遺伝性疾患検査をしていることもあります。
その場合は検査費用が加算されますので販売価格が少し高くなります。
ラフコリーの血統による価格の違い
他犬種でも同じですが、親犬がドックショーでの優勝経験があったり、代々チャンピオン犬の血統であったりすると価格が高くなります。
特に血統のいいメスは繁殖用のために売られることが少ないため手に入れるのは非常に困難です。
専門ブリーダーとネット販売について
ラフコリーを街のペットショップで見かけることはまずありません。
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