【動物看護士が解説!】犬のリンパ腫 原因や症状、治療法について

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犬のリンパ腫について

リンパ腫とは、一言でまとめると、リンパ球の腫瘍のことを言います。
一般的に腫瘍は、胸や臓器に出来るイメージがあると思いますが、血液中にあるリンパ球が腫瘍化するというものなので造血系の腫瘍になります。

リンパ球の働きとは?

リンパ球とは、血液中の白血球の一種で、免疫を担当している血液細胞です。

このリンパ球は、白血球の20~40%を占めています。

また、リンパ球は骨髄で作られますが未熟な状態で出てきます。
リンパ節という身体中にある関所を通り成熟・増殖していきます。
異物が体内に入ってくると、全身を回っているリンパ球は、免疫機能を持っているため抗体を出して異物を攻撃します。
特に、ウィルスや小さな異物、腫瘍細胞に対して働きかけてくれます。

リンパ球には、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、Bリンパ球(B細胞)、Tリンパ球(T細胞)の3種類あり、それぞれ役割や働きが違います。

このような働きを持っているリンパ球が、腫瘍化することによって全身に悪影響を及ぼします。

犬のリンパ腫の種類

リンパ腫は、全身どこでも出来る可能性がある腫瘍です。
これはリンパ球が体全身に分布しているからといえます。
その中でもリンパ腫には、特に出来やすい部位があります。
これから説明する他にも、まれですが脳や神経、骨や他の臓器にもリンパ腫は発生する可能性があります。
出来やすい部位によって特徴がありますので、今回特にメインとなる種類を分けて説明していきます。

犬のリンパ腫の種類 1.多中心型リンパ腫

多中心型のリンパ腫は、首周りやあご、脇の下、後ろ足の付け根(内股)、膝の裏などのリンパ節がある所に出来ます。

体の表面の近くに出来やすいので、腫れるとすぐに発見しやすいです。
犬のリンパ腫の中ではこの種類のリンパ腫が一番多く、リンパ腫の約80%を占めます。

犬のリンパ腫の種類 2.消化器型リンパ腫

消化器型のリンパ腫は、消化器型に出来ます。
特に腸のリンパ節や、小腸自体に出来やすいのが特徴です。
進行すれば、肝臓や脾臓などの他の臓器に転移する可能性もあります。
リンパ腫の約5~10%を占めます。

犬のリンパ腫の種類 3.縦隔型(胸腺型)リンパ腫 

縦隔型(胸腺型)のリンパ腫は、胸の中の前縦隔リンパ節または、胸腺という部位にできます。
前縦隔リンパ節とは、心臓の頭の方にあるリンパ節のことです。
また、胸腺も前縦隔リンパ節の傍にある臓器で、Tリンパ球を作っています。
初期は無症状のことも多く、症状が出るころには悪化している場合が多いです。
リンパ腫の約5%を占めます。

犬のリンパ腫の種類 4.皮膚型リンパ腫

皮膚型のリンパ腫は、皮膚に出来ます。
皮膚病に似ている為、なかなか確定診断をすることが難しいリンパ腫です。
皮膚の一部にできることもあれば、全身にできることもあります。
皮膚型のリンパ腫は非常にまれなタイプです。

 

犬のリンパ種の原因・症状・治療法

犬のリンパ腫の原因

リンパ腫の原因は、現状はっきりと分かっていません。
リンパ腫を発症しやすい犬種があることから、遺伝的なものが関係している可能性があると考えられています。

犬がリンパ腫になったときの症状

犬のリンパ腫の症状は、発症する部位によっても若干違ってきます。

上記で挙げたメインとなる4つの種類のリンパ腫ごとに症状を挙げていきます。

犬がリンパ腫になったときの症状 1.多中心型リンパ腫

首周りやあご、脇の下、後ろ足の付け根(内股)、膝の裏などのリンパ節にしこりができます。
それが、一か所の場合もありますし、複数の場所にできる場合もあります。
また、一つの場所に大きなしこりが一つできることもあれば、一つの場所に複数ぼこぼことできることもあります。
基本的には、しこり自体に痛みはありません。
だんだん体重が減ったり、食欲が落ちたりすることもあります。
そして、寝ている時間が増えるような症状も出てくることもあります。

犬がリンパ腫になったときの症状 2.消化器型リンパ腫

腸間膜リンパ節や腸管が主に腫れてきます。
そのため、下痢・嘔吐などの消化器症状が見られたり、食欲が落ち体重が減ったりします。
超音波検査や内視鏡検査で分かりますが、他の消化器疾患とも似ているため、診断が付けにくい場合もあります。

犬がリンパ腫になったときの症状 3.縦隔型(胸腺型)リンパ腫

前縦隔や胸腺が腫れてきて、だんだん大きくなるにつれて呼吸器症状がみられるようになります。
肺の圧迫や、胸水の貯留により、呼吸がおかしくなったり、苦しそうにしたりするようになります。

犬がリンパ腫になったときの症状 4.皮膚型リンパ腫

初期は、皮膚病のように軽い炎症を起こしているように見えたり、フケが多くでたりすることもあります。
進行していくと、激しく炎症を起こしているように赤みがでてきたり、腫れたり、潰瘍ができたりします。

犬がリンパ腫になったときの治療法

 リンパ腫は治療を行っても完治することはありません。

リンパ腫は、リンパ球が腫瘍したもので全身を回っているため、他の腫瘍と違い、外科手術や抗がん剤治療で腫瘍を取りきるということはできません。

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