例えば、末期ガンと宣告され、手術する体力もなく、痛みを薬で抑えるのみが残された方法のとき、
- 日本なら…100%の痛みコントロールができなくても延命治療
- アメリカでは…100%痛みコントロールができない場合、飼い主の了承のもと安楽死
になります。
アメリカ人にとってペットが病気や年老いたら用済み!?
だから簡単に安楽死を選ぶの?
そんな風に考えたくなりますよね。
でもアメリカ人はそんな風には決して考えていません。
アメリカ人と日本人が考える安楽死に対しての考え方が全く違うのかもしれません。
アメリカ人は犬を心から愛し、人間と対等に考えています。
犬が犬らしくいられないのなら、犬にとって日々の生活は苦痛でしかないはず。
毎日顔を見て、暖かい体に触れたいと考えるのは、アメリカ人飼い主も同じ気持ちです。
でも大きな違いは、犬には犬の尊厳があり、人間のエゴでそれを侵してはならないと思っています。
そして安楽死を選ぶには、日本同様、それ以外に選択肢がないと判断した場合になります。
日本との違いは、寝たきりになってオムツをする毎日でも、生きていることに意味があるという見方をするか、犬らしくはしゃぎ、走り、思い切り食べられないのなら…と見るかの違いではないでしょうか。
どちらも間違いではありません。
どちらも愛犬のことを一生懸命考えて出した答えなのですから。
犬の安楽死と飼い主のペットロス
安楽死を決断して、最愛の犬を見送った飼い主さんたちは、少なからずみな、自己嫌悪に陥るといいます。
「自分の選択は正しかったのだろうか」
「本当はもっと生きたいと思っていたのではないだろうか」など、自問自答を繰り返すそうです。
どうか、自分を責めないでください。
愛するあなたの犬は、苦しみから解き放たれたのです。
あなたがどんなに愛犬を愛していたか、彼らはちゃんと理解しています。
大切なのは、どんな死に方をしたかではなく、どんな生き方をしたかです。
愛犬を失って、ペットロス症候群になってしまうことも少なくありません。
悲しいときは思い切り悲しみ、愛犬のことを思い出してください。
泣きたい分泣き、できれば、その思いを共有できる人とたくさん話をしましょう。
そしていつかまた、あなたのパートナーになるべく犬に出会ってください。
見送ったあなたの愛犬も、きっとそれを望んでいるでしょうし、もしかしたら、その愛犬が生まれ変わってまた、あなたの元に戻ってくるかもしれません。
この記事のまとめ
- 犬の安楽死とは、飼い主(及び家族)と獣医さんの判断で犬を楽にさせてあげること
- 安楽死は犬にとって、耐えられない苦痛しかないという場合に限り行える
- 安楽死は動物病院もしくは、往診で行う
- 保健所では安楽死の処置ではなく、殺処分のみ
- 法的に安楽死は致し方ない場合のみ合法
- 犬の安楽死の費用はおよそ1万円
- 犬の安楽死・獣医さんと決めること:日程、場所、立会人、犬の見送り方など
- 犬の安楽死・飼い主ができること:食べたいものを食べさせる、一緒に過ごす、愛犬の大好きな場所に連れて行く、わがままをさせる、記念写真を撮るなど
- 犬の安楽死で使う薬剤:ペントバルビタールナトリウム
犬の安楽死について さいごに
元気に走り回り、かわいくて仕方ない笑顔を向けてくれる愛犬を眼の前にして、「安楽死」というワードはとても怖く冷たく、考えたくもないテーマかもしれません。
でももしかしたら、今こんなにも元気な愛犬も、将来大きな病が襲うかもしれません。
または現時点、愛犬とともに戦っている最中の人もいるかもしれませんね。
安楽死は大変つらいことですし、難しい決断になります。
でもそれを選ぶことは、間違いではないということを忘れないでください。
愛犬が体を張って、私たちに教えてくれるたくさんのことを、私たちは確実に受け止めて行く必要があります。
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