【動物看護士が解説】実はあまり知らない?犬の骨格についての基礎知識

犬の骨格 前足

犬の前足と呼ばれる前肢ですが、肩から前足の先の骨をまとめて前肢骨といいます。
この前肢骨は、大きな骨を肩から順に、肩甲骨、上腕骨、尺骨、橈骨、手根骨、中手骨、指骨という大きい骨と、細かい骨や軟骨、関節で形成されています。

肩甲骨

人の肩甲骨は背中からよく分かりますが、犬の肩甲骨は、前肢の付け根にあるので体の側面のところに大きくあります。
犬は、人と違い鎖骨がありませんので、この肩甲骨の動きも人に比べると動きの自由度は少ないです。
犬の肩甲骨のうごきは制限されるので、前肢を水平に広げることはできませんので、無理に広げようとはしないように注意が必要です。

上腕骨

上腕骨は、肩甲骨から伸びている肩から肘の間の骨です。
上腕骨の上方は、上腕骨頭と呼ばれる部分と肩甲骨が繋がり、下方は、上腕骨滑車と上腕骨顆と呼ばれる部分と尺骨・橈骨と繋がります。

橈骨・尺骨

橈骨と尺骨は、肘下から手首までの骨です。
橈骨は前肢の前方にあり、尺骨は後方にあります。
尺骨のほうが橈骨よりも長く、上方に肘頭と呼ばれる出っ張りがあります。

手根骨

手根骨とは、手首の骨です。
手根骨には、橈側手根骨や尺側手根骨、副手根骨などがあります。
手根球と呼ばれる肉球が地面から浮いている手根骨あたりにありますが、これは、手根骨を衝撃から守る役割があります。

中手骨

中手骨は、手のひらにあたる部分の骨です。
前肢の中手骨は、5本で構成されています。
人とは違い、犬の手のひらの部分は地面から浮いています。

指骨

指骨は、前肢の指の骨です。
犬は、この指の部分のみ地面についています。
指骨は、中手骨側から基節骨、中節骨、末節骨で成り立ちます。
そして、その先に爪が生えています。
指の関節ごとに、種子骨という細かい骨もあります。

 

犬の骨格 後ろ足

犬の後ろ足と呼ばれる後肢ですが、寛骨という人でいう骨盤から後ろ足の先の骨をまとめて後肢骨といいます。
後肢骨は、寛骨、大腿骨、腓骨、脛骨、足根骨、中足骨、趾骨という大きい骨と細かい骨や軟骨、関節で形成されています。

寛骨

寛骨とは、左右1対の腸骨、座骨、恥骨から形成される環状(輪のような丸い形)の骨で、骨盤を構成します。
人にもありますが、形は犬の方が狭く細長く構成されています。

犬は鎖骨が無く、肩甲骨と上腕骨を繋ぐ肩関節の動きが人よりも制限されますが、反対に寛骨と大腿骨を繋ぐ股関節の動きは人よりも自由度が高いです。
これは、犬特有の寛骨と大腿骨の角度や、関節外靭帯というものが犬には無いためです。

大腿骨

大腿骨は、寛骨から伸びている太ももの部分の骨です。
大腿骨の上方は、大腿骨頭と呼ばれる部分と寛骨の寛骨臼という窪みが繋がり股関節を形成します。
下方は、膝蓋骨滑車と内側顆と呼ばれる部分と腓骨・脛骨と繋がります。
さらに、大腿骨の下方には膝蓋骨と呼ばれる膝関節の前にある膝を保護する骨があります。

腓骨・脛骨

膝下から足首までの骨です。
腓骨は前内側にあり、脛骨は後外側にあります。

足根骨

足根骨とは、足首の骨です。
足根骨には、踵骨、距骨、中心足根骨、足根骨などがあります。

中足骨

中足骨は、足の平の骨です。
後肢の中足骨は、4本の中足骨で構成されています。
前肢と同じく中手骨は、地面から浮いています。

趾骨

趾骨は、後肢の指の骨です。
前肢と同じくこの指の部分のみ地面についています。
趾骨も、中足骨側から基節骨、中節骨、末節骨で成り立ちます。
そして、その先に爪が生えています。
指の関節ごとに、種子骨という細かい骨もあります。

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