ベルジアングリフォンの基本情報
ベルジアングリフォンは、ベルギーを原産とする小型犬です。
「グリフォン」とは、フランス語で“針金のような”を意味し、黒いワイヤー状の被毛を持ちます。
また、ベルギーグリフォンと呼ばれていることもあります。
同じくベルギー原産の「ブリュッセルグリフォン」「プチブラバンソン」とは兄弟犬種で、日本では2002年まで同一犬種「ブリュッセルグリフォン」として扱われていました。
原産国ベルギーでは、古くから貴族の寵愛を受けて可愛がられてきた犬種で、現在でもポピュラーな犬種として人気があります。
小型犬人気の強い日本でも、近年ベルジアングリフォンの飼育数は徐々に増えつつあるようです。
ベルジアングリフォンの歴史
ベルジアングリフォンの歴史
~ルーツ~
ベルジアングリフォンは、ベルギー原産の「ブリュッセルグリフォン」から派生した兄弟犬種です。
ブリュッセルグリフォンは、1800年以前のベルギー・ブリュッセルで「アーフェンピンシャー」や「グリフォン」と呼ばれる地犬を元に生まれた犬だと考えられています。
食物を荒らすネズミなどの害熟駆除を得意とし、愛らしい振舞いからも一般家庭ならず上流階級の間にも人気が広まっていきます。
その後、鼻ぺちゃ(短吻種)ブームによってパグと、小型化するためにヨークシャーテリアと、狩猟犬から愛玩犬化するためにキングチャールズスパニエルと交配されていきました。
パグとの交配によって短毛の個体が生まれることになり、後に「プチブラバンソン」として扱われるようになります。
そして、ヨークシャーテリアの黒い被毛を受け継ぐ個体が生まれるようになります。
その個体が「ベルジアングリフォン」として公認されることになったのです。
ベルジアングリフォンの歴史
~ブリュッセルグリフォンからベルジアングリフォンになるまで~
ベルジアングリフォン・ブリュッセルグリフォン・プチブラバンソンの3種類の扱いは、現在でも同じ母犬からそれぞれの子犬が生まれることもあるため、単なる「同じ犬種の毛色・毛質違い」とする国も少なくありません。
原産国ベルギーでも、元々は「ブリュッセルグリフォン」と同一犬種として扱われていましたが、1880年代に別犬種として扱われるようになりました。
日本でも、2002年に別犬種として公認されています。
国際畜犬連盟FCIでもそれぞれの犬種として公認登録されていますが、各国のケネルクラブでは、犬種をすべて同じ犬種のバリエーションとして公認していたり、ベルジアンとブリュッセルを同一犬種、ブラバンソンを別犬種として公認しているケネルクラブもあります。
ベルジアングリフォンの特徴
- 体重2.5〜5.5kgの小型犬
- 鼻ぺちゃ顔に口髭、顎鬚、眉毛が印象的
- ワイヤー状のラフコート
- 毛色はブラック・アンド・タンが基本
ベルジアングリフォンの特徴
~大きさや身体的特徴~
ベルジアングリフォンは、体高18〜20cm、体重2.5〜5.5kgの小型犬です。
体の大きさの割に、大きく丸い頭部を持ち、鼻ぺちゃ顔には口髭、顎鬚、眉毛が生えています。
耳は垂れ耳のボタン耳で、断耳して立ち耳にされることもあり、尻尾は垂れ尾で短く断尾されることもありましたが、いずれも現在は動物愛護の観点から行われなくなってきています。
ベルジアングリフォンの特徴
~被毛の種類や毛色~
ベルジアングリフォンは、フランス語で“針金のような”を意味するグリフォンの名前を持つ通り、ワイヤー状のゴワゴワとした毛質のラフコートです。
毛色はブラック・アンド・タンが基本となります。
ベースカラーはブラックで、目の上やマズル、胸部や腹部などにタンのマーキングが入ることもあり、レッドやブラウンが混じる場合もあります。
ベルジアングリフォンの性格・気質
- 明るく友好的
- 番犬には不向き
- 飼い主の行動をよく観察
- 賢くてもしつけは気長に
ベルジアングリフォンの性格・気質
~明るく優しい愛玩犬~
ベルジアングリフォンは明るくて優しい犬種です。
飼い主には愛情深く、小さな子どもさんや他の犬とも仲良くなることができる友好的な性格でもあります。
警戒心を持ち見知らぬ人に対して吠え立てるようなこともありますが、人見知りするのは最初だけで、友好的な相手にはすぐに慣れてしまうことも多いようです。
番犬向きと言われるブリュッセルグリフォンとは違って、番犬には向いていないでしょう。
ベルジアングリフォンの性格・気質
~優れた観察眼~
ベルジアングリフォンの特徴は、家族の行動や指示を日常的によく観察することができることです。
観察眼が鋭く、またそれを理解する能力も持ち合わせています。
ただし猟犬の気質から少し頑固でめげない面もあります。
そのため、しつけでは根気強く向き合っていく必要があるでしょう。
ベルジアングリフォンの飼い方・しつけ
ベルジアングリフォンの飼い方①
~室内飼育でコミュニケーションを大切に~
ベルジアングリフォンは、暑さも寒さも苦手とします。
鼻ぺちゃの犬種は、体内に熱をため込みやすく熱中症になりやすいと言われています。
また、ベルジアングリフォンはシングルコートで下毛がないため、寒さも苦手なのです。
そんなベルジアングリフォンを飼う場合には、快適に過ごせる室内飼育が基本となるでしょう。