チベタンスパニエルの被毛と毛色
被毛は絹のように柔らかいダブルコートで、短毛からミディアムまであります。
耳や前脚は豊かな羽根毛で覆われています。
特にオス犬には首のまわりに獅子のたてがみのような長毛が生えています。
尻尾は巻尾で、背中まで届く柔らかなふさふさとした羽根毛の飾尾が特徴的です。
毛色は単色からミックスまで多種多様で、ブラック・セーブル・ゴールド・レッド・フォーン・セーブル・トイカラーなど、さまざまな毛色があり全ての毛色が認められています。
チベタンスパニエルの性格・気質
チベタンスパニエルは猫のように気まぐれ?
チベタンスパニエルは小型犬ながら気も強く、独立心があり動きも俊敏です。
飼い主の命令を待たず自己判断できる頭のいい犬種ですから、プライドも高く頑固なところがあり猫のように気まぐれな面も持ち合わせています。
もともと番犬でもあったことから飼い主にはとても忠実ですが、その反面見知らぬ人や他犬に対しては警戒心が強く攻撃的になってしまうこともあります。
チベタンスパニエルは人見知りの恥ずかしがり屋?
家族の前では人懐っこく愛嬌のある仕草を見せてくれるチベタンスパニエルですが、知らない人には極端に無相想な態度になって人見知りするところがあります。
喜怒哀楽、好き嫌いの感情表現が顔に表れやすい表情の豊かな犬種といえるでしょう。
心を許した家族には穏やかで愛情深く、マイペースで落ち着きのあるチベタンスパニエルは、家族を癒してくれる最高のパートナーになってくれるでしょう。
チベタンスパニエルのオスとメスに性格の違いはある?
チベタンスパニエルのオスとメスに特徴的な性格の違いはみられません。
一般的な犬のオスとメスの性格の違いとしては、メスよりオスのほうが防衛本能が強いため吠えやすいといえます。
また、メスよりもオスの方が甘えん坊で活発であるといわれています。
メスは比較的落ち着いていて穏やかで人懐っこい性格が多いといわれています。
メスはヒート(発情期)の時には精神状態が不安定になりやすく、普段は大人しい犬でも攻撃的になったりすることがあります。
犬の性格はオスとメスで違う犬種もありますが、ほとんどの犬種は親犬の性格や飼育環境、しつけなどによって違ってきます。
特に仔犬のころの飼育環境は性格形成に大きな影響を与えるといわれています。
しっかりとした主従関係を築き、早い時期から社会性を身につけさせることが大切です。
チベタンスパニエルの飼い方・しつけ
チベタンスパニエルの飼育環境
チベタンスパニエルは日本の高温多湿な暑さには非常に弱い犬種です。
夏場は水分補給を怠らず、エアコンを使用して常に室内温度を適温にしてやる必要があります。
短頭種なので体温調節が苦手なため、熱中症には気をつける必要があるので夏場の散歩は避けましょう。
多くの運動量を必要としませんが、運動不足による肥満も良くありませんので、適度な室内での遊びながらのトレーニングは必要です。
飾り毛は手入れを怠るとすぐに毛玉になります。
毛玉は皮膚疾患の原因になりますのでブラッシングを欠かさないようにしましょう。
チベタンスパニエルの運動と散歩
チベタンスパニエルは小型犬であり、カーブした前足の形状からも過激な運動は必要ありません。
散歩は毎日1回、20分~30分程度で十分です。
散歩は運動のためだけではなく、子犬の頃から知らない人や他犬に触れ社会性を身につけるためにも必要です。
チベタンスパニエルのしつけ方
自立心があり、頑固でマイペースなところのあるチベタンスパニエルには、子犬の頃からしっかりとした主従関係を作り、善いことと悪いことをしっかり教える必要があります。
チベタンスパニエルは番犬であったことから警戒心が強く、見知らぬ者には吠えるという習性があります。
チベタンスパニエルを愛玩犬として飼う場合には、必要以上に吠えないようにするしつけが必要です。
来客や訪問者には警戒して攻撃的になることもありますので、来客時はクレートやサークルなどに入って待てるようしつけておきましょう。
明るい性格ですが、何度叱っても懲りないところがあります。
しつけには少し時間がかかるかもしれませんが、諦めず根気よくしつけましょう。
チベタンスパニエルのお手入れ
チベタンスパニエルの被毛のお手入れ
チベタンスパニエルの被毛は短毛と長毛のダブルコートですが、体が小さいため抜け毛はそれほど多くありません。
被毛の手入れは、週2~3回コームやスリッカーブラシを使ってブラッシングし、月に1回程度定期的にシャンプーをしてあげるだけで十分です。
特に耳や首、尻尾などの長い飾毛は絡まりやすく、すぐに毛玉になってしまいますので丁寧に梳かしてあげましょう。
長毛種ですが足裏のパットの毛をカットする以外に、トリミングはしない珍しい犬種です。
チベタンスパニエルの歯磨き
マズルトレーニング:子犬の頃から体を触られることに慣れさせ、口やマズルを嫌がらずに触らせるマズルトレーニングからはじめます。
唇を持ち上げる:マズルトレーニングに慣れたら口を開く訓練に進みましょう。
片手であごを下から持ち、もう片方の手で上唇を優しく持ち上げます。
慣れたら指で軽く歯を触る訓練を繰り返します。
ここまで出来るとガーゼで歯の表面を拭いてやることができるようになります。
口を開かせる:最後に口を開かせるトレーニングに入ります。
上顎の犬歯のうしろから指を入れ上顎を持ち上げる訓練をします。
無理やり開こうとせず少しずつ大きく口が開くようにしていきます。
上手くできたときはたくさん褒めてやり、必ずご褒美をあげましょう。
ガーゼや歯ブラシで歯を磨く:歯ブラシを使う前にガーゼで歯を磨くことからはじめます。
湿らせたガーゼを指に巻き最初は前歯から磨き、慣れてきたら奥歯、歯の裏へと進めていきましょう。
歯ブラシはガーゼ磨きに十分慣れてから使います。
歯ブラシは指のような感触がないので、力を入れ過ぎないようにしましょう。
チベタンスパニエルの注意する病気
チベタンスパニエルは遺伝性疾患の少ない健康な犬種ですが、小型犬がなりやすい病気には気をつける必要があります。
症状だけでどの病気かを素人判断するのはとても危険です。
少しでも気になる症状がみられた場合は、すぐにかかりつけの獣医師の診断を受けましょう。
チベタンスパニエルの注意する病気その① 膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、後ろ脚の膝蓋骨が正常な位置から外れ、脱臼した状態になる病気です。
気づかずにそのままにしていると悪化して、骨が変形したり、靭帯が伸びてしまったりします。
膝蓋骨脱臼の予防には膝に負担をかけないようにすることが一番です。
滑るフローリングの床にはカーペットやコルクマットなどを敷きましょう。
チベタンスパニエルは他の犬種と違って前脚が少しカーブしているので、ベッドやソファから飛び降りたりすると、体重がかかり過ぎて骨折する場合がありますので注意が必要です。
チベタンスパニエルの注意する病気その② 呼吸困難と熱中症
鼻が短い短頭種のため、軟口蓋過長や気道狭窄などで呼吸困難をおこすことがあります。
夏の暑さには特に弱く、呼吸がしにくいためパンティングも多くなり体力を消耗します。
熱中症にも注意して真夏の散歩は控え、室内の適切な温度管理が大切です。
チベタンスパニエルのミックス犬
最近では純血種同士を掛け合わせるミックス犬に人気が集まっています。
ミックス犬も一般に雑種といわれている犬と同じ混血種なので血統書は付きませんが、ミックス犬は両親が血統書のついた純血種であるため、それなりの価格で売られています。
珍しい犬種同士のミックス犬の場合には高値で売買されることもあるようです。
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