獣医師が解説!小型犬に多い、膝蓋骨脱臼ってどんな病気? Vol.1

ロングコートチワワ

好発犬種

小型犬に多発するといわれ、どの犬種にもおこる可能性はありますが、トイ種、ミニチュア種で発生が多いです。
好発犬種としては、ミニチュア・プードル、トイ・プードル、チワワ、ヨークシャ・テリア、ポメラニアン、ペキニーズ、ボストン・テリアなどが挙げられます。

病気の定義

専門的にいうと、「大腿骨滑車における正常な解剖学的位置から内方あるいは外方への膝蓋骨の変位。
」が膝蓋骨脱臼の定義になります。
分かりやすく説明しますと、膝蓋骨とはいわゆる膝のお皿の部分を指します。
このお皿が収まる部位を大腿骨滑車といいいますが、通常お皿はぴたりとここに収まっているのが正常です。
この膝のお皿が大腿骨滑車きちんと収まらずに内方、外方に移動してしまう状況が、いわゆる膝蓋骨脱臼です。
小型犬では、75%が内方に脱臼するといわれています。

重症度分類

膝蓋骨脱臼は、重症度Ⅰ〜Ⅳに分類され、この重症度分類は、獣医師の触診によって行われます。
以下に診断基準を示しておきます。

●重症度Ⅰー膝蓋骨を手で脱臼させられるが、圧迫を解除すると正常位にもどる。
→膝のお皿を横に押すとずれてしまうが、自然にもとのあるべき位置にもどるということです。

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