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抗原抗体反応とは?
抗原抗体反応とは、いわゆる輸血の際に起きる拒否反応のことで、輸血などで異なる型の血液が混ざることで起こります。
赤血球に含まれる抗原に対し、抗体とは血漿中に含まれている特殊なたんぱく質のことで、血漿とは血液中のサラサラした成分のことです。
そして、体内に異なる血液型が侵入したとき、抗体が侵入してきた抗原に取りつくことで機能不全を起こします。
これを「抗原抗体反応」と呼びます。
一昔前までは、犬はこの抗体を持っていないと信じられていました。
そのため血液型を一切無視して輸血される荒治療が行われてきたこともあったようです。
しかし、実際には抗原の種類によって抗体を持っていることが確認されています。
特に、DEA1.1型に関しては最も強い抗原抗体反応を起こす可能性があるとされているため、輸血の際にはDAE1.1型は必ず陽性か陰性かが調べられています。
逆にDEA4型はどの抗原に対しても抗体反応が弱く「万能血液」として使われています。
犬の輸血治療の現状について
現在の日本では、人間の血液バンクのような確立された犬や猫の血液バンクがありません。
そのため輸血が必要になったときに、輸血用の血液を手に入れるのは非常に困難です。
動物病院で飼育している犬や猫から採取したり、足りないときは病院同士で補完しあったり、ボランティアドナーになってくれる犬や猫を探したりと独自で調達しているのが現状です。
2015年には中央大学の研究チームが犬用人工血液の開発に成功し、2021年頃には実用化されるといわれています。
実用化されると、液体か粉末で動物病院に常備でき、手術中の出血や出血によるショック、虚血部位への酸素の供給などに素早く対応できると期待されています。
ボランティアドナー(供血犬)による血液バンク
各地の自治体や多くの動物病院では、病気や怪我で緊急に輸血が必要になった時のために、献血してくれるボランティアドナーの供血犬を募集しています。
登録ドナーになった犬は、必要に応じ病院に出向き献血をします。
ボランティアドナー(供血犬)になれる条件
ボランティアドナー(供血犬)にはどんな犬でもなれる訳ではありません。
ボランティアドナー(供血犬)になるためには下記のような厳しい条件をクリアしていなければなりません。
●持病を持っていないこと
●8歳未満であること
●感染症や寄生虫による疾病がないこと
●25kg以上で肥満体でないこと
●輸血経験や妊娠経験がないこと
●血小板が正常であること
●10日以上前にワクチン接種を済ませていること
●ヘマクリットが40%以上であること
●DEA1.1、1.2、3、5、7以外であること
25kg以上の体重の犬からは1度の採血で400~450ml程度採取することができます。
続けての採血は出来ず、採血から採血の間は、最低4~5週間空ける必要があります。
ボランティアドナー(供血犬)になるメリット
各自治体や動物病院によって違いますが、供血犬としてドナー登録すると血液検査が無料になったり、伝染病の予防注射が無料になったりします。
また、ドックフードやおやつなどが無料で貰えたりすることもあるようです。
ボランティアドナー(供血犬)になるデメリット
ボランティアドナー(供血犬)になり献血をすることによって一時的に貧血になったり、潜在的にあった心臓疾患が表出してくることがあります。
この記事のまとめ
- 犬の血液型には13種類以上ある
- 犬は1匹あたり複数の血液型を保有している
- 血液型の分類方法には主に2種類「国際基準 DEA式」と「日本式表記 D式」
- 犬の血液型と性格は無関係
- 日本式表記・D式では血液型に犬種の偏りがあり、日本犬はD1型、洋犬にはD2型が多い傾向にある
- 血液型を知ることで「安全な輸血」「安全な出産」に役立つメリットがある
- 血液型検査は動物病院で。費用は1,500~3,000円程度
- 簡易検査では、DEA1.1型の陽性か陰性かのみを調べる
- 抗原抗体反応とは輸血の際の拒否反応のこと
DEA1.1型は最も強い拒否反応を示す可能性があり、逆にDEA4型は「万能血液」とも言われている。 - 犬には血液バンクがなく、輸血用血液の入手が困難。ボランティアドナーが募集されている
さいごに
いかがでしたか?
犬の血液型について難しいと感じた方も多いかもしれません。
これは血液型のこぼれ話ですが、ゴリラの血液型はA型で、猫の血液型の殆どはA型で、B型やAB型は希少なのだそうです。
このことからも犬の血液型がいかに複雑で多いか分かりますね。
もしも・・のときのために我が家の愛犬の血液型や輸血について学んでおくことも大切です。
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