犬の睡眠時間について~犬種別・年齢別~

それには、快適な睡眠をとれる環境を整えてあげることが重要です。

快適な環境を整えてあげるために
  • 快適なベッド・寝床を与える:本来犬は巣穴で生活をしていました。
    同じように薄暗く囲いのある寝床を準備してあげることが理想的です。
  • 快適な場所を提供する:屋外であれば車の通りの多い道路沿いや、室内であれば家族の揃うリビングなど騒々しい場所に寝床を設けていませんか?
    そうなると落ち着いて眠りにつくことはできません。静かで薄暗い環境で眠れるように快適な場所を提供してあげましょう。
  • 気温への配慮:犬であっても、夏は寝苦しく冬は寒さが身に染みるものです。夏は通気性が良く涼しい環境を、冬には温かい環境を整えてあげましょう。
  • 寝ている犬を邪魔しない:愛犬の寝ている姿が愛らしいからと言って、つい犬の睡眠を邪魔していないですか?
    寝ている時には、そっとしておいてあげましょう。

睡眠時間が長すぎるとき

犬は睡眠時間の長い動物だと説明してきましたが、普段よりもさらに睡眠時間が長い場合には注意が必要です。
睡眠時間が長すぎる時に考えられる原因を紹介します。

睡眠時間が長すぎる原因① 「ストレス」

引っ越しや新しい家族が増えた時などの環境の変化によって、犬はストレスを感じやすくなります。
また、運動不足やコミュニケーション不足によってもストレスを感じている可能性があります。

そういったストレスが溜まることで、犬は疲労感を感じるようになり睡眠時間が長くなることがあります。

睡眠時間を多く取らせてあげても根本的な解決とは言えず、吠える噛む、イタズラなどの問題行動に繋がってしまうことにもなるでしょう。
運動やコミュニケーションを十分に取ってあげてストレスを解消してあげることに努めてあげましょう。

睡眠時間が長すぎる原因② 「どこかに痛みを感じている」

私たち人間もどこかに痛みを感じている時、できれば動きたくないと感じますよね。
それと同様、犬もどこかに痛みを感じていて、その痛みを抑えるためにじっと過ごしているのかもしれません。

とくに老犬に多く見られますが、関節などに痛みを感じている可能性があります。

普段の歩き方や体に触れた時に嫌がる反応がないかなど、犬のことをよく観察するようにしましょう。
何か異常が見られるようであれば、一度動物病院で診てもらうようにしましょう。

睡眠時間が長すぎる原因③ 「老化によるもの」

犬の睡眠時間が長いときには、老化によるものかもしれません。

前述でも述べましたが、犬も年を取って老化していくと体力が衰えてきます。
その体力を回復させるために多くの睡眠時間を必要とするのです。

老化が進む度に眠る時間も増えていくため、1日のほとんどを寝て過ごすようになることもあります。

睡眠時間が長すぎる原因③ 「病気を患っている」

睡眠時間が長すぎる原因には病気が隠れている可能性もあります。

睡眠時間が長くなる主な病気には「甲状腺機能低下症」「ナルコレプシー」などがあります。
他にも感染症糖尿病、心臓病などの特定の病気が進行することで、体力が低下し重篤化して睡眠時間が長くなることもあります。

◆甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、「元気ホルモン」とも呼ばれる甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで起きる病気の事です。
そして、体の代謝を活発にする役割を持つ甲状腺ホルモンの機能が低下することで、過剰な眠気を引き起こすようになり睡眠時間が長くなることがあります。

その他にも食欲が増える、体重が増える、元気がない、寒がる・震える、皮膚が乾燥して黒くなるなどの症状が見られるようになり、さらに重篤になると、昏睡に陥ったり意識障害を起こしたりする場合もあります。

中~大型犬に多く見られ、犬種だとゴールデン・レトリーバー、シェットランド・シープドッグ、柴犬、ダックス、ドーベルマン、ミニチュア・シュナウザー、プードル、ボクサーなどが好発犬種だと言われています。
若年でも発症することがありますが、中年齢頃から多く発症しやすい病気です。

◆ナルコレプシー

別名「眠り病」とも呼ばれ、自分の意志とは関係なく突然眠ってしまう睡眠障害の病気です。

興奮や喜びなどの感情に伴って、姿勢を保つ筋肉が突発的に弛緩する情動脱力発作(カタプレキシー)が起き、突然眠ってしまうように見えるというものです。
この発作によって睡眠時間としては短くなり、日中の眠気が強くなることで睡眠時間が増えたように感じることもあるようです。

ドーベルマン、ラブラドールレトリーバー、ダックスフンド、プードル、ビーグルが好発犬種として知られています。
興奮していた犬が突然意識を失ってしまうような症状が見られる場合にはこの病気を疑いましょう。

この記事のまとめ

犬の睡眠時間について
  • 成犬の平均睡眠時間は12~15時間
  • 犬の睡眠時間が長いのは野生の名残から
  • 睡眠時間の8割が「レム睡眠」
  • 小型犬ほど短く、大型犬ほど長い睡眠時間が必要
  • 生活リズムによって睡眠時間が変わることも
  • 年齢による睡眠時間
    子犬期・・・18~20時間
    成犬期・・・12~15時間
    シニア期・・・18~20時間
  • 睡眠不足になると心と体の健康状態へ影響を与える
  • 犬の睡眠がいつもより長すぎる時は、
    「ストレス」
    「どこかに痛みを感じている」
    「老化によるもの」
    「病気を患っている」   可能性があり
  • 犬の睡眠時間が長くなる病気には、
    「甲状腺機能低下症」「ナルコレプシー」「糖尿病」「感染症」「心臓病」などが考えられる
柴犬

さいごに

犬は、1日のほとんどの時間を寝て過ごしていますが、良質な睡眠を得るためには、起きている時間の過ごし方も大切です。

運動や遊びで五感を刺激したり、頭を使ったりすることで、心も体も満たされて良質な睡眠が得られるようになるでしょう。

犬の健康的な過ごし方は、元気いっぱいに楽しく過ごし、疲れた体をゆっくりと時間をかけて休めることです。

当たり前のようなことではありますが、1度愛犬の生活を見直してみるのも良いかもしれませんね。

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